渋谷駅はいまが一番ややこしい! 地上3階から地下5階まで…複雑になった経緯は

各路線のホームが分散して本格的に迷宮化

 渋谷駅がターミナルとして本格的に成長しはじめるのは、1927(昭和2)年に東京横浜電鉄(後の東急電鉄)東横線が開通してからのことです。

 1930年代に入ると、東京横浜電鉄は渋谷駅の開発に着手します。1934(昭和9)年にターミナルデパート「東横百貨店(後の東急百貨店東横店東館)」を開業させると、続いて玉川電気軌道を買収して、同社が西口に建設していた駅ビル(後の東急百貨店東横店西館)ごと手中に収めます。そして玉川線ホームを駅ビルの2階に移し、地下鉄(後の銀座線)を駅ビルの3階に乗り入れさせて、渋谷駅の東西をつなぐ横軸を作り出したのです。

Large 180831 shibuya 03

拡大画像

1940年代の渋谷駅周辺(「今昔マップ on the web」より枝久保達也が作成)。

 渋谷駅が分かりにくい要因のひとつに、構内に段差が多く、目的の乗り場は何階にあるのか、いま自分が何階にいるのかよく分からないということがありますが、それはいくつもの駅と駅ビルが立体的に接続されたことに起因しているのです。

 ただ、この頃は各線のホーム自体は近くに配置されており、例えば玉川線は玉川改札の目の前に発着していましたし、地下鉄と山手線、東横線の乗り換えも近かったため、乗り換えルートさえ把握していれば迷宮というほどの構造ではありませんでした。

 渋谷駅が本格的に迷宮化していくのは、新たなホームが周辺に分散しはじめてからのことです。路面電車であった玉川線は1969(昭和44)年に廃止され、その代替として1977(昭和52)年に地下線の新玉川線(現在の田園都市線)が開業します。新玉川線のホームは大山街道の地下3階に設けられ、乗り換え距離が一気に長くなりました。

 なお、東急電鉄は銀座線と新玉川線(半蔵門線)を一体化して、分かりやすい渋谷駅を建設する構想も検討していたようですが、あまりにも工事が大規模になってしまうことから断念しています。

この記事の画像をもっと見る(5枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

5件のコメント

  1. この失敗が利用者減少に繋がっているのにな。
    現時点で東急と副都心線・半蔵門線直通以外はガチで不便だから、利用者減少も当然だと思う。
    JRは35万人まで減りそうな気がする。

  2. そりゃあちこち路線が離れてなおかつ利用しにくいんだから利用者減るわ。
    自分も1度だけ渋谷行ったけど、あまりのややこしさに二度と来ないと思った。
    これならまだ新宿や池袋の方がはるかにマシ。

    • ・・・そんな分かりきったこと、ドヤ顔して言いなさんなよw

  3. 広告と見分け付きづらいですが、関連記事も渋谷駅についての記事が表示されていて良いですね。
    可能なら、タグに渋谷駅の項目を作っていただけるとなお良いと思います。
    的を絞って、地図をうまく使い、わかりやすい説明でした。

  4. 東急がからむとロクなことがない。
    地下で目標物も見えづらいところで多層構造にしてるし、
    副都心・東横線の上層は傾斜をつけて階がずれる。
    地上に出るにも複数のエスカレーターで角度変えて乗り換えるから、方向が狂う。