衝突時に膨らむ作業員用「エアバッグ式安全チョッキ」開発 身体損傷を軽減

NEXCO中日本のグループ会社が「エアバッグ式安全チョッキ」を開発。交通規制を伴う路上作業時の、作業員の安全性向上を図ります。

路上作業時に着用

 NEXCO中日本のグループ会社である中日本ハイウェイ・エンジニアリングは2018年9月26日(水)、無限電光と共同で、作業員の安全性向上を目的とした製品「エアバッグ式安全チョッキ」を開発したと発表しました。

Large 180926 nxccairbag 01
「エアバッグ式安全チョッキ」の正面(左)と背面(画像:NEXCO中日本)。

 2社によると高速道路で交通規制を行いながら作業をする際に、通行車両が誤って進入し、工事車両や作業員に衝突する事故が発生しているとのこと。作業員の安全確保は重要な課題であることから、従来の安全対策に加え、万が一の事故発生時でも身体の損傷を軽減できるよう、この製品を開発したといいます。

 無限電光は、バイクからライダーが投げ出されたときに膨張するエアバッグベストを開発しています。今回の「エアバッグ式安全チョッキ」は、チョッキのセンサーが一定以上の衝撃を検知すると、回路を経由し、装備されたエアー起動装置を作動させバッグを膨張させます。

 たとえばクルマにはねられたとき(一次損傷)は、このときにエアバッグが膨らみ、フロントガラスにぶつかったり(二次損傷)、路面に叩きつけられたりする際(三次損傷)に身体への衝撃を緩和して、損傷軽減を図ります。

Large 180926 nxccairbag 02 Large 180926 nxccairbag 03 Large 180926 nxccairbag 04
交通事故損傷の概念図(画像:NEXCO中日本)。
エアバッグ起動時の正面(左)と背面(画像:NEXCO中日本)。
緩衝材(画像:NEXCO中日本)。

 なお、このチョッキは、通常作業時の動作では起動せず、大きな衝撃を受けたとき(一次損傷)に初めてエアバッグが膨張するよう作られていることから、一次損傷を軽減するため緩衝材を装備するとともに、手動操作でもエアバッグが膨張するよう手動起動スイッチが付加されています。

 日本自動車研究所では、性能評価試験を実施。約23kgの物体を約24km/hのスピードで人体模型の胸部に衝突させたところ、チョッキ未着用時はAIS3+(重傷以上の障害リスク)の発生確率が80.9%だったのに対し、エアバッグ起動時は45.3%に軽減したとしています。

【了】

※誤字を修正しました(10月1日17時30分)。

この記事の画像をもっと見る(6枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

2件のコメント

  1. 本文最終段落。

    約23kmの物体を時速24kmで

    物体の長さ(km)ではなくて、重さ(kg)ではないでしょうか。

    • ご指摘ありがとうございます。 訂正いたしました。