気付けば3本だけの「ひかりレールスター」 山陽新幹線のエース、その栄枯盛衰

「さくら」「みずほ」誕生の陰に…

 2008(平成20)年8月、「ひかりレールスター」の廃止方針が報じられました。当時、人気の絶頂にあった「ひかりレールスター」の廃止は話題になりました。しかし、廃止の理由は営業成績の低下ではありません。2011(平成23)年に九州新幹線と直通する新列車を設定するため、その列車に「ひかりレールスター」の役割を継承させよう、という前向きな理由でした。

「ひかりレールスター」の転換は2010(平成22)年3月ダイヤ改正から始まりました。東京~広島間の「のぞみ」が博多まで延長されたため、時間帯の近い「ひかりレールスター」の定期列車のうち5往復が臨時列車になりました。

 2011(平成23)年3月12日のダイヤ改正で九州新幹線が全線開業。N700系の「みずほ」「さくら」が山陽・九州新幹線で直通運転を始めました。「みずほ」は「のぞみ」に相当する速達型。「さくら」は「ひかり」に相当する通過型の列車です。報道されていたように「ひかりレールスター」の一部が「さくら」に置き換わります。この傾向が今日まで続き「ひかりレールスター」は減便されていきました。「ひかり」の運用を失った「ひかりレールスター」の車両は「こだま」として走り始めます。「こだま」に使われた100系電車は2012(平成24)年3月に引退しました。

「さくら」のN700系は8両編成で、当初から九州新幹線と山陽新幹線向けに造られました。内訳は5列シートの自由席普通車が3両、4列シートの指定席普通車が4両、グリーン席と4列シートの普通車指定席を合わせた車両が1両です。4列シートの普通車指定席という部分が「ひかりレールスター」の名残でしょうか。「サイレンスカー」や個室はありませんが、グリーン席はあります。全盛期の「ウエストひかり」へ先祖返りしたともいえそうです。

 現在、「ひかりレールスター」は風前の灯火です。山陽新幹線内だけを走る「ひかり」はほかにもありますが、N700系を使っているため「ひかりレールスター」ではありません。もし、「ひかり」として走る「ひかりレールスター」が消滅するとどうなるでしょう。「こだまレールスター」に改名されてしまうでしょうか。

 JR東海が開発する次期型新幹線車両「N700S」は短い編成にも対応しているため、いずれ「さくら」もN700Sになるかもしれません。将来、700系7000番台が廃止されると、車両としての「ひかりレールスター」も消えてしまいます。しかし、「ウエストひかり」「ひかりレールスター」に与えられた「航空機というライバルに勝利する」という使命は、N700系の「のぞみ」「ひかり」「みずほ」「さくら」が引き継いでいます。

 ところで、2018年5月から姫路~博多間で臨時列車の「ひかりレールスター」1往復が走り始めました。この臨時列車は同年秋の臨時列車としても引き継がれています。JR西日本はこの臨時列車専用の割引きっぷ「ひかり576早特きっぷ」「ひかり577早特きっぷ」を設定し、特設サイトも用意して宣伝中。このプロモーションが、「ひかりレールスター」の「最後のひかり」となるかもしれません。

【了】

この記事の画像をもっと見る(3枚)

画像ギャラリー

  • Thumbnail 181015 hikarirailstar 03
  • Thumbnail 181015 hikarirailstar 01
  • Thumbnail 181015 hikarirailstar 02

最新記事

コメント

4件のコメント

  1. ひかりレールスター時代は自由席が1~3号車、指定席が4~8号車で、サイレンスカーは4号車でした。
    記事の内容に誤記があります。

  2. 現状では自由席なのに2×2シートと2×3シートが混在するなど、「こだま」に格下げされてからは中途半端な扱い。自由席は全て2×2、指定席は2×1、コンセント全席設置とかしたらもっと利用があるだろうに。500系ともども、登場時は花形だったのが時期が過ぎると車両の扱いが中途半端なのがJR西の残念なところ。

    • ・・・はいはい。

  3. ひかり 運用に就くことがほとんどなくなっても 車両自体は こだま として運転されている。適切な時期に次の世代の車両に役目を譲ればいいこと。

    列車によっては個室席が締め切られているのは残念。個室席の需要がどれだけあるかわからないけれど、個室席乗車券の販売自体はしておけば少しは売り上げにつながるかもしれないのに。