整備新幹線だけじゃない新幹線計画 北海道南回り、山陰、四国横断…実現可能性は?

整備新幹線の「次」が見えない理由

 こうしたことから整備新幹線では、国と沿線の自治体、JRが建設費を分担する方式を採用。JRは利益が出る範囲で線路の使用料を負担し、それでも足りない分は国が3分の2、沿線の自治体が3分の1をそれぞれ負担することになっています。また、新幹線に並行する在来線は基本的にはJRから分離することになっていて、JRが新幹線を運営することで赤字になってしまわないよう配慮されています。

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中央新幹線の建設費はJR東海が全額自己負担する。写真は中央新幹線の一部になる山梨リニア実験線(2017年11月、草町義和撮影)。

 なお、中央新幹線は運営するJR東海が全額自己負担する計画で、並行在来線の経営分離も考えられていません。これは利用者がひじょうに多くて輸送能力が不足気味になっている東海道新幹線を補完するもの。東海道新幹線の多大な運賃収入が背景にあるため、国や自治体の負担がなくても着工できたといえます。

 しかし、実際の建設費は最初の計画通りにはいかないことが多く、建設期間が長くなればなるほど、そのときどきの経済情勢などに左右されがちです。とくに最近は人件費が高くなっていることや、東日本大震災を受けて改定された耐震基準への対応などもあり、新幹線の建設費が高騰しています。

 このため政府は整備新幹線の建設費について「JR各社に追加の費用負担を求める調整に入った」(2018年10月19日の朝日新聞)といいますが、JRにしてみれば経営に大きな影響がありますし、調整は難航するでしょう。かといって国や自治体も財政に余裕があるわけではありません。

 整備新幹線の建設が進んだことから、最近では基本計画線の沿線自治体から「整備新幹線の『次』はこちら」と、建設を求める声が出るようになりました。しかし、すでに着工している整備新幹線ですら建設費の調達に苦労している状況ですから、国の財政や経済情勢がよほどよくならない限り、近い将来に着工できる可能性はないでしょう。仮に着工のめどがたったとしても、並行在来線の経営分離をどうするかなどの問題を解決していかなければなりません。

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コメント

5件のコメント

  1. 北陸・中京新幹線は、東海道新幹線との共用区間を除く、敦賀〜米原が50kmぐらいなのでは。

  2. 理想は日本全国に新幹線で行き来が出来て
    色んなルートから東京や名古屋や大阪を経由できる新幹線ネットワークが一番でしょうね
    地方都市に大都市にも行ける新幹線

  3. >47都道府県中、少なくとも43都道府県には新幹線の駅が設けられるはずです。多くの地域で移動時間が大幅に短くなるでしょう。

    新幹線の線路自体がない千葉と沖縄、線路はあっても新幹線駅がない茨城、残りのひとつはどこだ?

    • 和歌山

  4. 「複線フル規格新幹線」だけでなく、「一部単線にした新幹線」や「在来線の時速160km運転」などの方法も「新幹線網の整備」と見なして鉄道網の再整備をする必要があると思う。

    今の複線フル規格新幹線だけでなく「中速鉄道」という概念や「その具体的な形態」の考え方も確立させる必要もある。

    また、これから造るフル規格新幹線の基本計画線区間は時速300kmを超えるような超高速ではなく、最高速度は例えば時速240km程度までとし、列車も各駅停車のみにする。そうすることで線路と車両の耐用年数を延ばしたり維持管理費を抑える という考え方も取るべき。
    特に基本計画線は「地方~地方間」の所要時間短縮が主目的になること、地域内格差の発生も最小限にする見地から。基本はそうしつつも、非常時には東海道・山陽・東北新幹線の迂回路となる機能は持たせておく。
    このほか、「貨物新幹線」や「新幹線による夜行旅客列車」の運行も想定しておくと更に良い。

    また、新幹線建設の際、沿線の地方空港を経由させていくことで、沿線の中距離程度は新幹線・長距離は航空路線というような、交通機関の垣根を越えた棲み分けや連携を図っていくことで、地方の交通を維持発展させる交通政策や戦略も持ってほしい。
    これは政治行政だけでなく、「乗り物ニュース」などのマスメディアも!!