米海兵隊F-35B、地味に初実戦をこなす 明暗分かれる歴代名/迷戦闘機のデビュー模様

踏んだり蹴ったりのMiG-29

 旧ソ連が開発したMiG-29も、やはり湾岸戦争で初めて実戦に投入されていますが、イラク空軍のMiG-29が、ソ連本国や東欧諸国に引き渡された機体に比べて、意図的に能力を落とした「モンキーモデル」だったこともあって、空対空戦闘では多国籍軍戦闘機の絶好のカモとなってしまい、湾岸戦争の空対空戦闘でイラク空軍が失った33機のうち、8機を占めるという不名誉な記録を残しています。

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湾岸戦争で実戦にデビューしたものの、散々な結果に終わったMiG-29(竹内 修撮影)。

 もちろん戦闘機の評価は一度の戦いで決まるものではなく、ベトナム戦争の初期にはMiGシリーズの戦闘機に対して苦戦したものの、空中戦戦術の確立と、搭載するミサイルの信頼性向上によってベトナム戦争の中期以降は数々の戦場で活躍して名戦闘機となったF-4「ファントムII」のように、名誉を挽回する事もあります。「トーネードIDS」も精密誘導兵器の運用能力を得て以降は、コソボ紛争やリビア攻撃など数々の実戦で活躍して、湾岸戦争の汚名を返上しています。

 その一方でMiG-29は1999(平成11)年のコソボ紛争でも、一度に出撃した5機のうち2機がアメリカ空軍のF-15C戦闘機に撃墜され、1機がオランダ空軍のF-16の攻撃によって、どうにか基地までたどり着いたものの大きなダメージを受けたほか、1999年に発生したエリトリアとエチオピアの国境紛争ではエリトリア空軍のMiG-29とエチオピア空軍のSu-27が交戦し、一説によればSu-27によってエリトリア空軍のMiG-29が1機から3機撃墜されたとも言われており、今のところMiG-29は汚名を返上したとは言い切れない状況にあります。

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