蚕の繭からブルドーザ、AIBOまで 明治以降の日本の技術を振り返る「千の技術博」開催(写真16枚)

明治改元から150年、日本を大きく変えた科学や技術の結晶が一堂に会する企画展が開催されます。蓄音機やクスリ、エンジン、時計、電子レンジ、蚕の繭にAIBOなどなど、そのジャンルは実に多岐にわたります。

貴重な展示品が目白押し

 2018年10月30日(火)から2019年3月3日まで、東京上野公園の国立科学博物館にて特別展「日本を変えた千の技術博」が開催されます。大正・昭和・平成に至るまでの150年間で社会や暮らしを変えてきた科学や技術遺産を紹介するというもので、展示物は600点以上に上るといいます。

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コマツブルドーザーG40(小松1型均土機)。1943年製造。海軍の要請から1か月で急造したという(月刊PANZER編集部撮影)。

 たとえば、昭和と平成を代表する日本の航空宇宙技術遺産といえるふたつつの「はやぶさ」のエンジンが同時展示されています。日本陸軍の戦闘機「隼」の「二式一一五○馬力発動機(ハ115II)」と小惑星イトカワからサンプルリターンを果たした探査機「はやぶさ」の「マイクロ波放電式イオンエンジンμ10」です。

 また、日本最初のブルドーザー「コマツブルドーザーG40(小松1型均土機)」は、1943(昭和18)年に製造され、終戦時海に投棄されながらも引き上げると可動状態で、1979(昭和54)年までオーストラリアの農場で実働していたというタフな車です。フロントグリルには碇と桜をあしらった日本帝国海軍のマークが取り付けられていますが、なぜ陸軍ではなく海軍がブルドーザーの国産化を急いだのか、当時の情勢をうかがうこともできます。

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ふたつの「はやぶさ」のエンジン。手前が「マイクロ波放電式イオンエンジンμ10」、奥が「二式一一五○馬力発動機(ハ115II)」(月刊PANZER編集部撮影)。
戦後初の国産旅客機YS-11の風洞模型(月刊PANZER編集部撮影)。
いまや生活に欠かせないパソコンも、最初は「理科系オタクのおもちゃだった」(月刊PANZER編集部撮影)。

 ほか、医薬品や蚕(かいこ)、アンテナ、クルマ、エジソンが明治天皇に献上した蓄音機など、展示品はさまざまなジャンルにおよびます。

 科学技術は過去からの連続であり、時代の世相と生活にも密接に関係したものでもあることを感じることができる企画展になっています。

●特別展 明治150年記念「日本を変えた千の技術博」
・開催期間:2018年10月30日(火)から2019年3月3日(日)まで
・開催時間:午前9時から17時まで(金曜日、土曜日、10月31日、11月1日は20時まで)
・休刊日:毎週月曜日、12月28日(金)から1月1日(火・祝)、1月15日(火)、2月12日(火)(ただし12月24日(月・休)、1月14日(月・祝)、2月11日(月・祝)、2月25日(月)は開館)
・会場:国立科学博物館(東京都台東区上野公園)
・入場料:一般・大学生1600円、小・中・高校生600円/金曜・土曜限定ペア得ナイト券2000円(会場での当日販売のみ、17時以降2名同時入場、最終入場19時30分)/本券で本展を観覧すると、同日に限り常設展(地球館・日本館)も観覧可能/未就学児無料/障害者手帳所持者とその介護者1名は無料/価格はいずれも税込。
・チケット:国立科学博物館(休館日を除く)、イープラス、ローソンチケット、チケットぴあ、セブンチケット、その他各プレイガイド/公式サイトにて電子チケットも販売

【了】

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Writer: 月刊PANZER編集部

1975(昭和50)年に創刊した、40年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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