「武蔵」発見の実業家はなぜ戦没軍艦探索に情熱を傾けたのか? 追悼ポール・アレン氏

沈没した戦艦「武蔵」発見の報を届けてくれた実業家のポール・アレン氏が亡くなりました。実業家であった彼が私財を投じ、戦没軍艦の探索や戦闘機の復元に取り組んだ背景などを解説します。

軍艦や軍用機を「産業遺産」として

 アレン氏が晩年、戦没軍艦の捜索に情熱を傾けた背景には、前述したように父親の影響もあるようですが、アレン氏が軍艦を含めた兵器を単なる戦いのための消耗品ではなく、産業遺産として捉えていたからなのではないかと、筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)には思えてなりません。

 アレン氏は軍艦の捜索のほか、第二次世界大戦で活躍した軍用機の収集にも力を入れており、アメリカのP-51「マスタング」やドイツのBf109、イギリスの「スピットファイア」といった戦闘機など多数の軍用機を所有していました。

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フライング・ヘリテージ・コレクション所蔵の一式戦闘機「隼」(画像:Articseahorse[CC BY-SA 4.0(https://bit.ly/2ryhTgk)], from Wikimedia Commons)。

 アレン氏は私財を投じて収集した軍用機に徹底的な復元作業を行なっており、その多くは飛行可能、またはそれに近い状態にまで復元されています。アレン氏は旧日本陸軍の主力戦闘機、一式戦闘機「隼」も所有していますが、この「隼」は機体・エンジンともほぼ生産当時のままで飛行可能な状態にある、大変貴重なものです。

 アレン氏はこれらの軍用機をコレクションして満足するのではなく、アメリカのワシントン州に私設博物館「フライング・ヘリテージ・コレクション」を開設して、一般への公開を行なっています

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