「武蔵」発見の実業家はなぜ戦没軍艦探索に情熱を傾けたのか? 追悼ポール・アレン氏

沈没した戦艦「武蔵」発見の報を届けてくれた実業家のポール・アレン氏が亡くなりました。実業家であった彼が私財を投じ、戦没軍艦の探索や戦闘機の復元に取り組んだ背景などを解説します。

そのコレクションには戦車や戦後の宇宙船も

 この博物館には前述したP-51やBf109、スピットファイア、一式戦闘機、零式艦上戦闘機(零戦)などの第二次世界大戦で活躍した軍用機のほか、やはり第二次世界大戦で活躍したアメリカのM4「シャーマン」戦車などの陸上兵器、さらにはベトナム戦争中にアメリカ空軍が使用したF-105G「サンダーチーフ」戦闘機や、旧ソ連製のMiG-29戦闘機、世界で初めて民間企業による有人宇宙飛行(弾道飛行)を行なった「スペースシップワン」など、戦後に開発された軍用機や宇宙船なども追加されています。

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2018年10月15日に亡くなったアメリカの実業家、ポール・アレン氏(画像:バルカン)。

 フライング・ヘリテージ・コレクションはアメリカの航空宇宙博物館としては中規模ですが、アレン氏の意思により、2018年10月末現在入場料は大人16ドル、子供(6~17歳)12ドル(6歳以下は無料)と低く抑えられており、また多くの収蔵品に触れることができることから、地元の学校の学習などにも活用されています。

 残念ながらアレン氏は若くして世を去ってしまわれましたが、アレン氏の意思は、この博物館を訪れた子供たちに受け継がれていくものだと思いますし、アレン氏のような人物が生まれて、活躍できる土壌のあるアメリカという国が、少しうらやましく思えてしまいます。

 最後にポール・アレン氏の魂が安らかであることを祈念して、この記事の結びとさせていただきます。

【了】

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