自衛隊の災害派遣、実は8割が「急患輸送」 おもな舞台は離島、その実態とは?(写真15枚)
パイロットおひとり6000万円也
沖縄県では、2018年度以降に、県の消防防災ヘリコプター導入の可否を決定すると発表しているのみで、しばらくは県独自の消防ヘリは導入されないと考えられます。ちなみに、総務省・消防庁が発表する資料では、ヘリコプターの操縦資格を持っていない者をパイロットにするためには、ひとりあたり約6000万円の養成費用がかかるとしているため、こうした諸経費の負担についても大きな問題を残しています。
このように様々な理由から、自治体の消防ヘリやドクターヘリの導入が遅れるなかで、自衛隊の航空機たちが、離島などにおける「急患輸送」で活躍しています。
自衛隊が行う「急患輸送」数を都道府県別に見てみると、2017年度で最も多いのが沖縄県の148件で、次いで長崎県の110件となっています。陸海空別で見てみると、陸上自衛隊が192件で全体の48%を占め、次いで海上自衛隊が181件の45%、航空自衛隊が28件の7%となっています。これらの数値は、直近5年間ほぼ横ばいで推移していて、今後も同様の派遣件数になると予想されます。
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このなかで、最も派遣件数が多いのが、沖縄の那覇基地に所属する陸上自衛隊第15旅団隷下の第15ヘリコプター隊です。
第15ヘリコプター隊は、多用途ヘリコプターUH-60JAと輸送ヘリコプターCH-47J/JAを運用していて、24時間態勢で10名の隊員が「急患輸送」のために待機しています。前身である第101飛行隊が編成された1972(昭和47)年から2018(平成30)年11月15日現在までの「急患輸送」件数は9381件、人数にして9739名にも上ります。
正月位には何事もなく平穏に過ごして欲しい