災害派遣に見る空自の「輸送力」 運べ、運べ! 北海道地震で活躍した輸送機+α(写真19枚)

迅速な対応は普段の備えから

 発災直後に迅速かつ大量の物資などの空輸ができたのも、航空自衛隊が保有する輸送機たちの活躍があったからこそです。これらの輸送機は、いつでも飛び立てるように常に良好な状態で維持されています。また、向かった先で輸送機を受け入れる部隊も、いつでも給油や必要な点検、整備ができるように準備しています。

 輸送機が持つ空輸力は、災害現場でも最大限発揮されるのです。

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取材に応じてくれた第2航空団広報の藤田1曹(左)と冨田曹長(矢作真弓撮影)。

 余談ですが、今回の地震では航空自衛隊の警備犬も活躍しており、その空輸でも輸送機が使用されました。たとえば、三沢基地から派遣された警備犬「サン」号は、災害救助犬として人命救助活動に投入され、任務が終わったのち千歳基地から三沢基地へと帰途につきました。この「サン」号ですが、派遣終了後に、災害救助に関った功績として、防衛大臣褒章を受けています。

「サン」号のほかにも、第8航空団「ベルディ」号(築城)、第2航空団「ししまる」号(千歳)、第9航空団「クロード」号および「ティガ」号(那覇)、中部航空警戒管制団「ロック」号および「アイオス」号(入間)がそれぞれ防衛大臣からの褒章を受けています。この褒章には副賞がついており、サーモン缶やドッグフードなどが「ご褒美」と書かれた「のし紙」に巻かれて贈られました。

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第3航空団(三沢)から派遣された「サン」号と訓練担当の小瀬川(おぜがわ)1曹(矢作真弓撮影)。
CH-47輸送ヘリコプターに搭載される「サン」号。ゲージが小さいのは中で暴れたときにケガをしにくくさせるため(矢作真弓撮影)。
大臣表彰を受ける「サン」号(画像:航空自衛隊)。

 年末にかけてまだまだ多くの航空祭が予定されていますが、各基地に所属する警備犬の訓練展示も多く行われます。航空祭に訪れた際には、警備犬にも注目なのです。

【了】

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Writer: 武若雅哉(軍事フォトライター)

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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