沖縄上空「WW3」の危機! 空自唯一の実弾射撃、「対ソ連軍領空侵犯機警告射撃事件」

戦後、日本の空が最も緊張に満ちた日のひとつが、1987年12月9日の「対ソ連軍領空侵犯機警告射撃事件」でしょう。米ソがINF(中距離核戦力)で歩み寄った翌日の、冷や水を浴びせるようなできごとでした。

ソ連機の沖縄縦断、そして実弾発射

 空自機の行動が通じたのか、4機のうち3機は宮古島南方を飛行後、去っていきました。しかし1機は警告を無視して、そのまま沖縄本島へ向けて飛び続けます。その1機は、ソ連の主力戦略爆撃機Tu-16、NATOネームは「バジャー」。多数の爆弾や対艦ミサイル、場合によっては核兵器をも運用できる爆撃機です。

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1975年、ソ連のTu-16に近付いて飛ぶアメリカ海軍のF-4J(画像:アメリカ海軍)。

 そんな恐ろしい機体が、沖縄本島の上空を飛行しようとしています。どのような武器を積んでいるのかはわかりませんが、何かあってからでは遅いのです。空自F-4EJの編隊長は決断し、南西航空混成団(現在の南西航空方面隊)司令に警告射撃の許可を求め、そして警告射撃命令が下されました。

 午前11時24分、ソ連軍機Tu-16は沖縄本島上空へと到達、航空自衛隊の那覇基地やアメリカ軍基地の上空を通過していきます。そこで航空自衛隊のF-4EJは、最初の実弾射撃を行いました。これは搭載されている20mmバルカン砲を目標機の前方に向けて射撃し、曳光弾の軌跡を見せ付けることで警告するというものです。同時に視覚信号で「着陸」を指示します。これらの行動が功を奏したのか、ソ連軍機Tu-16は、日本の領空から外へと抜けました。こうして、航空自衛隊初の実弾射撃事件は、幕を下ろしたかに思われました。

 しかし、Tu-16は午前11時41分に再度日本の領空内へ侵入、さらに北上し鹿児島県の沖永良部島や徳之島上空へと迫ります。追跡を続けていたF-4EJは、やむなく2回目の警告射撃を行いました。この2回の警告射撃により、航空自衛隊では計数百発の実弾を発射したといわれています。

 ソ連軍のTu-16は、それ以上の北上をやめ、領空外へと逃れ、その後、北朝鮮の平壌へ着陸しました。

 同日夕方、外務省はソ連に対して抗議を表明しました。前日にアメリカとソ連の間で「中距離核戦力全廃条約」が締結されたこともあり、竹下 登首相が遺憾の意を表すという事態となりました。

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コメント

1件のコメント

  1. 事件だと?当たり前のことをしただけだろうが。警告射撃くらいはね。実際当時のソ連からその後謝罪が届いたとの話もある。

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