次世代の「無線式」信号、鉄道の混雑緩和や路線存続の決定打になるか

鉄道の信号システムを大きく変える、「無線」を使った新しい信号システムが普及の兆しを見せています。従来の信号システムとは何が異なるのでしょうか。

現在の信号は「線路に電気を流す」が基本

 鉄道の安全を守る信号システムに、150年ぶりの大改革が訪れようとしています。そのキーワードは「CBTC」のアルファベット4文字。目には見えない無線通信を使って列車の位置を検知し、複数の列車の「車間距離」を調整するシステムです。

Large 181214 cbtc 01
CBTCの機能を含む新しい信号システム「ATACS」が導入された埼京線(画像:photolibrary)。

 この新しい信号システムを導入して現在の信号システムを置き換えると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 現在、鉄道信号システムの原理は1872(明治5)年に米国の技師が発明した「軌道回路」を基礎としています。「軌道回路」とは、線路を一定の距離で区切って電気回路を作り、線路に信号用の電流を流す仕組みです。回路が構成されているときは、信号機のスイッチに電気が流れて青信号を表示させます。

 この区間に列車が入ると、列車の車輪も鉄製なので回路が短絡され、信号機まで電流が届かなくなります。これにより信号機のスイッチが切れて赤信号に切り替わるのです。

 それまでは人が列車の通過を確認し、手動で信号機を切り替えていましたが、軌道回路を使うことで自動的に信号を表示できるようになりました。仕組みは簡単ですが、これによって列車の安全性が向上し、運行本数を大幅に増やすことができるようになったのです。

 ただ、軌道回路を使った信号システムは、それぞれの軌道回路と信号機器室をケーブルなどで物理的に接続することで構成されています。地上の設備は非常に大掛かりなものになり、維持や更新に多額の費用と手間がかかるという問題がありました。

この記事の画像をもっと見る(4枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

8件のコメント

  1. >赤字幅も縮小しますから
    具体的にどの程度?
    赤字のうち何割が、信号関連なのか
    根本的に乗客の少ない路線なら焼け石に水、存続しやすくなるかも!なんて思考がお花畑過ぎる

  2. ATACSはCBTCじゃねーよ
    誤解を広めるな

  3. CBTCは移動閉塞みたいな書き方してるけど、ちゃんと規格(IEC62290)を調べてから書きなよ。どこにも移動閉塞なんて言葉は出てこない。
    実際、移動閉塞じゃないCBTCもあるんですけど?

  4. 軌道短絡に頼らなくていいシステム、ってことは車軸は要らなくなるよね。将来的には「4輪独立懸架」の台車が主流になる時代くるかも、と想像する。

  5. CBTCになると軌道回路が無くなるみたいな書き方してるけど、軌道回路を無くすかどうかは事業者次第。様々な点で誤解を招く記事です。

  6. 無線は信用ならない、有線と無線のLANのたとえだとそう見えるな

    • 実際信用ならないよ
      通信切れてる間に運転士が保安装置解放で走るとお終い

  7. 間違えた事言うと信通警察怖いからなあ(間違えるのが悪いけどね)。
    ちゃんとこの記事でも指摘米あって安心。