次世代の「無線式」信号、鉄道の混雑緩和や路線存続の決定打になるか

有線LANを無線LANに置き換えるのと同じメリットが

 そこで、軌道回路を使わない新しい信号システムとして開発されたのが「Communications-Based Train Control」、略してCBTCです。

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無線通信を使うCBTC(下)は軌道回路を用いた従来型の信号システム(上)に比べ地上設備をスリムにできる(枝久保達也作成)。

 CBTCではケーブルを使った通信を無線に置き換えます。「自宅の有線LANを無線LANに置き換えたら、LANケーブルが減って部屋がすっきりした」という経験のある人もいるでしょう。CBTCもこれと同じ。設備をスリムにすることができ、メンテナンスの費用や手間も抑えられます。

 費用を抑えることができるということは、利益を増やしたり損失を抑えたりすることができるということ。利用者の減少で存続問題が突き付けられている地方ローカル線に導入すれば赤字幅も縮小しますから、存続しやすくなるかもしれません。

 しかし、CBTCのメリットが生きるのはローカル線だけではありません。地下鉄など列車の本数が多い都市鉄道でも、CBTCのメリットを生かすことができます。

 CBTCは従来の信号システムよりも多くのデータを扱うことが可能です。大量のデータを扱えるということは、たくさんの列車の情報を一度に管理できるということ。都市部においては列車のさらなる増発も期待されます。

 また、従来の信号システムは列車の位置を軌道回路で検知していたため、後続列車との車間距離は軌道回路の単位で制御していました。仮に安全上確保すべき列車の間隔が300mだとしても、軌道回路1区間の距離が1kmで整備されていれば、列車をそれ以上詰めることができません。つまり、無駄に距離を空けなければならない状況が発生していました。

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コメント

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8件のコメント

  1. >赤字幅も縮小しますから
    具体的にどの程度?
    赤字のうち何割が、信号関連なのか
    根本的に乗客の少ない路線なら焼け石に水、存続しやすくなるかも!なんて思考がお花畑過ぎる

  2. ATACSはCBTCじゃねーよ
    誤解を広めるな

  3. CBTCは移動閉塞みたいな書き方してるけど、ちゃんと規格(IEC62290)を調べてから書きなよ。どこにも移動閉塞なんて言葉は出てこない。
    実際、移動閉塞じゃないCBTCもあるんですけど?

  4. 軌道短絡に頼らなくていいシステム、ってことは車軸は要らなくなるよね。将来的には「4輪独立懸架」の台車が主流になる時代くるかも、と想像する。

  5. CBTCになると軌道回路が無くなるみたいな書き方してるけど、軌道回路を無くすかどうかは事業者次第。様々な点で誤解を招く記事です。

  6. 無線は信用ならない、有線と無線のLANのたとえだとそう見えるな

    • 実際信用ならないよ
      通信切れてる間に運転士が保安装置解放で走るとお終い

  7. 間違えた事言うと信通警察怖いからなあ(間違えるのが悪いけどね)。
    ちゃんとこの記事でも指摘米あって安心。