銀座線の電車が丸ノ内線を走る? 車両がよその路線を走る重要なワケ

つながっていないように見えて、実は…

 重要部検査や全般検査は周期が長いため、路線ごとに車両工場を設けるより、いくつかの路線の車両工場をひとつにまとめて設置したほうが、土地も人員も効率的に運用できます。また、銀座線の車両工場は上野と渋谷の車庫内にありましたが、利用者の急増に伴う車両の増加で車庫が手狭になったため、土地に余裕のあった中野車両基地に車両工場の機能を移転することになったのです。

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東西線の深川車両基地。車両を分解して大掛かりな検査を行う車両工場も基地内にある(2018年2月、草町義和撮影)。

 千代田線の終点、北綾瀬駅の先にある綾瀬車両基地(東京都足立区)にも、千代田線だけでなく有楽町線・副都心線、南北線の電車の大掛かりな検査を行う綾瀬工場があります。この工場が担当している電車は合計で約1100両。東京メトロでは最大の車両工場です。

 しかし、千代田線の線路をたどってみても、銀座線と丸ノ内線における赤坂見附駅のように、有楽町線・副都心線、南北線とつながっている箇所はないように見えます。それら路線の電車は、どのようにして綾瀬までやってくるのでしょうか。

 有楽町線の桜田門駅と千代田線の霞ケ関駅のあいだには、長さ578mの地下連絡線があります。有楽町線の電車は、この連絡線を使って千代田線に入り、綾瀬車両基地に向かうことができます。

 千代田線が開業したのは1969(昭和44)年のことで、当初から綾瀬車両基地を使用していました。一方、有楽町線は1974(昭和49)年に池袋~銀座一丁目間が開通しましたが、この時点では線内に車両基地がありませんでした。そこで千代田線の線路につながる連絡線を設置し、綾瀬車両基地を臨時の車庫として使ったのです。

 その後、有楽町線は1988(昭和63)年までに現在の区間が全通。路線両端の和光市と新木場に車庫が設置されました。しかし、工場で行う大掛かりな検査は引き続き綾瀬工場で行われており、2008(平成20)年に開業した副都心線の電車も含め、連絡線を使って綾瀬まで回送されています。

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コメント

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1件のコメント

  1. では、東京メトロ9路線の車両をどうやって共演したのか知りたいです。銀座線と丸ノ内線は他の路線と電気の取り方が異なっているので。