海底に眠る米空母「ホーネット」の太平洋戦争 世論を変えた「ドーリットル空襲」母艦

アメリカの空母「ホーネット」は、就役わずか1年で沈んだ第2次世界大戦期の艦艇です。しかしその1年のあいだに、映画にも描かれた「ドーリットル空襲」へ参加。日本にも縁深い艦の、短くも濃い1年を追います。

知られざる武勲艦の、知られないままの最期

 ところが、「ホーネット」は頑丈でした。アメリカは駆逐艦2隻で魚雷12発、5インチ砲弾430発を打ち込みますが、火災は発生すれど沈みません。そうこうしているあいだに、日本の駆逐艦「秋雲」と「巻雲」が急接近し、アメリカ艦は退避します。日本の駆逐艦も、可能ならば「ホーネット」を拿捕するよう命じられていましたが、早々に諦めます。

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南太平洋海戦にて、応急処置に成功したものの航行不能に陥った「ホーネット」。重巡「ノーザンプトン」(右)で曳航作業を試みるも失敗した(画像:アメリカ海軍)。

「ホーネット」はゆっくりと沈下を続け、10月27日の午前1時35分に沈没しました。就役後わずか372日後のことです。これを見守った「秋雲」と「巻雲」は、「ホーネット」が日本本土初空襲の母艦であったことなど知るよしもありません。アメリカでも、この武勲が公式に認められたのは戦没後ということになります。

 沈没地点は判明していましたが、5000mを超える深海域だったため、これまで発見されていませんでした。くだんの調査チームが公開した映像には、深海探査機から77年ぶりの光を受けて、対空砲、艦載機、格納庫のトラクターなどが当時の姿のまま浮かび上がっています。「ホーネット」と共に眠る乗組員は140名とされています。

【了】

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