唯一無二、核兵器も扱う原子力空母「シャルル・ド・ゴール」でフランスは何を目指す?
世界で唯一の核兵器搭載原子力空母というプレゼンス
「シャルル・ド・ゴール」の艦載戦闘機ラファールMは、熱核弾頭を搭載するミサイル「ASMP-A」の運用能力を備えています。ASMP-Aは、2010(平成22)年からラファール戦闘機への搭載が開始された、射程600kmを誇る超音速巡航ミサイルで、敵の防御をすり抜けて目標へ正確に命中する能力を有しています。
以前は1978(昭和53)年から運用が開始された、艦上攻撃機の「シュペルエタンダール」が核ミサイルの運用を担ってきましたが、同機は2016年に全機退役が完了しており、その役割がラファールMに引き継がれた形です。
このように、核兵器運用能力を有する「シャルル・ド・ゴール」は、フランスが関心を有する地域や、紛争が発生しそうな地域へと派遣されることで、フランスの意思やプレゼンス(存在感)を示したり、あるいは紛争の危険度をコントロールしたりと、有用なツールとなります。
それでは、フランスはなぜヨーロッパから遠く離れたインド洋へと「シャルル・ド・ゴール」を派遣し、かつそこで海上自衛隊と共同訓練を実施するのでしょうか。その理由は、「フランスにとってインド太平洋という地域が持つ意義の大きさ」と深く関係しています。
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