豪華観光列車の前にもあった北海道「幻の東急線」計画 わずか2年で中止のワケ

「炭鉱の街」夕張へのルートも確保

 夕張鉄道とは、函館本線の野幌駅(函館本線の江別駅から札幌寄り3.1kmにある駅)から、炭鉱の街として知られる夕張市までを結んでいた私鉄です。夕張鉄道の列車を札幌急行鉄道に直通させることも、想定されていました。

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札幌急行鉄道の札幌駅は、現在の札幌市営地下鉄 大通駅付近に建設されるはずだった(2014年5月、草町義和撮影)。

 東京急行電鉄社史編纂事務局編『東京急行電鉄50年史』(1973年4月)は、この計画の目的を「加速度的に増加する札幌付近の人口対策として(中略)鉄道を建設し、札幌郊外の沿線に住宅を建設すること」としています。住宅開発と一体的に鉄道を建設しようとしていたわけで、東急田園都市線の北海道版といえるでしょうか。

 ただ、夕張鉄道との接続については「将来、定山渓鉄道と夕張鉄道の合併を実現するため」と記述しています。夕張鉄道も傘下に収めれば、東急の“勢力圏”が東側に大きく広がりますから、定山渓鉄道と夕張鉄道のエリアをつなぐ新線を建設することで、夕張鉄道の傘下入りを促そうとしたのかもしれません。

 しかし、札幌急行鉄道の申請は1960(昭和35)年6月23日、取り下げられています。工事に着手されることなく、わずか2年で幻の計画と化してしまいました。

 国立公文書館に残されている「取下げ願い」には、札幌周辺の開発が加速しているため「将来の交通需要に対処し得るよう」計画を変更し、改めて申請を行う旨の記述があります。これに対して『50年史』は「沿線人口の増加の見込みがない」などと記述しており、採算性に問題があったことを示しています。

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コメント

1件のコメント

  1. これ、全然寒冷地仕様でも無い車両を北海道で運行して大丈夫なのかな?
    夏だけ運行?