目黒の住宅街にある大屋根の正体 戦艦「大和」も実験か 旧海軍施設なぜいまも現役?

東京都目黒区に、戦艦「大和」建造に関わったかもしれない旧海軍の巨大な施設が現存、防衛装備庁がいまなお使用しています。建造されておよそ90年、現役であり続けるのにはもちろん理由があります。

水槽の上を走る「電車」

 模型を曳航する曳引車は、長い水槽をまたぐ鉄橋のような設備で、通称「電車」と呼ばれているそうです。その名の通り、運転台には右手にブレーキハンドルやエアコンプレッサーの圧力計などがあり、電車の運転台のようです。前に見える光景も、トンネルや地下鉄内を走っているよう。ただ、速度を制御するのはマスターコントローラー(マスコン)ではなく、制御盤のダイヤルでした。

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内部の水槽。水面に天井が映りこんでいる(画像:防衛装備庁)。
造波装置で造った波に対する消波板(画像:防衛装備庁)。
1930(昭和5)年の、建設当時の姿を残す鉄骨(画像:防衛装備庁)。

 この「電車」には、模型を撮影するカメラ、照明装置、模型の挙動を図る精密検査機器が満載されています。また万一の落水事故に備えて、赤い救命浮き輪も備えられていますが、過去、実際に落水した人がいるのかはわかりません。

 施設は古びて見えますが、いたるところで、精密に作られそれが維持されていることがうかがえます。「電車」こと曳引車が走るレールは車輪とぴったりと接触し、走行時の振動が抑えられるよう毎日磨かれています。また水槽内の水は実験条件を維持するため、建設当時から入れ替えられていません。戦災で屋根が失われていた時期もありますが、自然蒸発ぶんしか給水されていないため、建設当時の水がまだ4割くらい残っているといわれています。内部の温度、湿度もなるべく一定に保たれるように管理されています。

 2011年3月11日の「東日本大震災」では、地震で水槽に発生した波を撮影、計測しデーターとして残すこともしました。

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