平成と夜行列車 豪華列車は進化、一般向けは相次ぎ廃止 二極化した30年

新幹線高速化、リニア開業で、夜行列車の将来は

 その結果、晩年の九州方面の寝台特急は、始発の東京駅から乗車する利用者はほとんどいなくなり、名古屋、大阪からの利用が中心になりました。つまり、東京駅を出発する夕方の時点では、当日のうちに目的地に到着する新幹線や飛行機がまだあるので寝台特急を利用する必要がなくなりますが、名古屋や大阪の利用者であれば、最終の新幹線や飛行機のあとに出発して、朝イチに目的地へ到着する列車として、かろうじて存在価値が残っている状況でした。

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寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」(画像:photolibrary)。

 その後、JRは“次世代”の夜行列車として、プライバシーに配慮した個室寝台の増設を進め、285系電車「サンライズエクスプレス」(サンライズ瀬戸・出雲)やE26系客車「カシオペア」の導入を進めます。

「サンライズ瀬戸」が高松駅に着くのは翌朝午前7時27分(2019年3月16日現在)。羽田~高松間の航空便と比べると最終便より3時間遅く出発し、朝一番の便より1時間半早く到着するうえ、ホテル代を節約できます。デビュー当時の新聞に「ギリギリまで残業して飛び乗っても、翌朝8時の会議に間に合う。運賃は飛行機と変わらないが、出張費が削られる中、ホテル代が浮くことが助かる」(1999年7月18日朝日新聞)という声が紹介されているように、“動くビジネスホテル”として一定の地位を獲得しますが、同様に深夜出発して早朝に到着する夜行急行「銀河」は廃止に追い込まれるなど、目論見通りにはいかないまま現在に至ります。

 平成の30年を振り返ると、乗ること自体が目的にもなるクルーズトレインを除き、夜行列車のほとんどが廃止に追い込まれた時代でした。新幹線の高速化と、リニア中央新幹線の開業が予定されている「令和」の時代において、夜行列車の立ち位置はますます厳しくなるでしょう。

 その中で注目すべき挑戦が始まろうとしています。JR西日本が2019年3月に発表した、鉄道ならではの旅の魅力を気軽に楽しめる価格設定で提供する117系改造車「WEST EXPRESS 銀河」の導入です。かつての寝台急行「銀河」の名前を冠したこの車両は、285系でも採用されたノビノビ座席や個室を備え、夜行にも対応した長距離列車として2020年春から運行を開始する予定です。この結果次第で、最後の寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」の今後についても何らかしらの方向性が見えてくるかもしれません。

【了】

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コメント

4件のコメント

  1. どんどん元気がなくなっていく日本に、ある意味相応しいではないか。

  2. 青春18キップでも、寝袋銀マット持ち込み駅待合室やホームの目立たない所で酒飲んで寝ちまえば何とかなる!最悪最終電車の中で寝てて起きないとかw

  3. 大阪発着の夜行列車の末期のスカスカっぷりを見ているだけに残当としか言いようがない。
    北斗星だって目立つのは本来北海道でしか買えない企画乗車券を使いソロで東京から行って戻るだけの乗り鉄だけ。
    存在する理由どころか意義まで無くなったんだから消えていくのは仕方ない。

    • 存在の意義を問うなら新幹線も立派な立役者だよな?
      まあ、自分は西も北も寝台を多数使わせてもらったけど仕事、観光共に重宝だったけどね。
      B個室程度なら二人での出張なら満額費用も支給されてたしね