引退進む「国鉄型」通勤電車、どこに行けば会える? 各地で「最後」の活躍続く

201系はおおさか東線などで引き続き活躍

 大阪環状線とJRゆめ咲線から引退した201系は、1979(昭和54)年にデビュー。省エネルギー化の技術を導入したのが特徴で、車体も運転室の部分を黒くした「ブラックフェイス」を採用するなど、デザインが一新されました。

Large 190607 jnrcom 03

拡大画像

全線開業したばかりのおおさか東線で活躍が続く201系(2019年3月、草町義和撮影)。

 JR東日本とJR西日本が合計約1020両を引き継ぎましたが、2019年4月1日時点ではJR東日本が1両、JR西日本が約170両で、JR発足時の2割以下に。JR東日本の1両はすでに使われておらず、実質的にはJR西日本の関西エリアにしか残っていません。

 運転範囲は大和路線のJR難波~加茂間、おおさか東線、和歌山線の王寺~高田間、桜井線。JR発足後の車両に混じって走っていますが、おおさか東線は新大阪~奈良間の直通快速を除き、すべての普通列車が原則として201系です。

 1984(昭和59)年に最初の編成が完成した205系は、国鉄の電車としてはステンレス車体を初めて本格的に採用しました。ただ、JR発足後の1994(平成6)年まで製造されており、その数も国鉄時代の製造分(約370両)よりJR発足後の製造分(約1100両)のほうが多く、「国鉄型」というよりはJR初期の通勤電車といえるでしょう。

 2019年4月1日時点で約480両まで減りましたが、それでも国鉄時代より3割近く多い数字です。現在はJR東日本とJR西日本の普通列車として、大都市の通勤路線から地方路線まで幅広く使われています。一部の車両は私鉄や海外の都市鉄道に譲渡されました。

 こうしてみると、国鉄型の通勤電車は意外と多く残っています。とはいえ、老朽化が進んでいるのは確かで、すべて引退する日も、そう遠くないでしょう。乗りに行くなら早めのほうがいいかもしれません。

 ちなみに、普通列車用の国鉄電車としては、通勤形のほかに「近郊形」があります。やや長い距離を走る普通列車向けで、115系などの近郊形電車がいまも現役ですが、こちらもJR発足時に比べ大幅に数を減らしています。

【了】

※一部修正しました(6月17日10時40分)。

【写真】懐かしの「国鉄型」通勤電車たち

Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

2件のコメント

  1. 筑肥線、間違えてる?

    • こてー 様

      平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
      乗りものニュース編集部です。

      このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
      修正いたしました。

      これからも変わらぬご愛顧を賜りますよう、
      何卒よろしくお願い申し上げます。