意外と広い海自P-1哨戒機のコックピットを眺める 時には戦う飛行機、その特徴は?
飛行機のコックピットとひと口に言っても、その機の用途によってやはり大きく異なるものです。海上自衛隊が運用するP-1哨戒機のコックピットはけっこう広いのですが、そこには課せられた任務の特性も関係しています。
操縦席にはカップホルダーも
飛行機の「コックピット」――そこはいつの時代も子どもたちのあこがれであり、誰しも一度はコックピットで働いてみたいと願ったことがあるのではないでしょうか。今回、筆者(関 賢太郎:航空軍事評論家)は、海上自衛隊厚木航空基地(神奈川県)の第4航空群第3航空隊に配備されている哨戒機P-1を取材、その「機能美」に迫りました。
飛行機の役割は様々であり、それを制御するコックピットは固有の特徴をもっています。旧来の丸形計器を一掃、液晶カラーディスプレイを多数配置する「グラスコックピット」化されたP-1のそれは、旅客機とは明らかに違う特徴が散見されました。
何より一歩コックピットに入って驚いたのは、その“広さ”です。エアバスA320やボーイング737など、P-1とほぼ同程度の大きさの飛行機のコックピットは、お世辞にも広いとは言えない、まさに文字通りの「コック・ピット(鶏小屋)」ですが、P-1のそれは操縦士2名と機上整備員1名に加え、さらに数名は入れる空間が確保されています。
そしてウインドシールド(窓)は極めて大きく、“視界の良さ”も抜群です。機内からは非常に広い範囲を見渡すことができます。また左側に限り撮影用の小窓を備えており、警戒監視において撮影する写真や動画は、この小窓から撮影されています。
こうした広さと視界の良さは、P-1が荷物や人を運ぶための飛行機ではない、洋上をパトロールする「哨戒機」であることを強く実感させてくれました。
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