仏独西にトルコも 世界の次期戦闘機最新事情 暗雲のF-2後継機開発に必要なものは…?

2019年の「パリ国際航空宇宙ショー」では、フランス、ドイツ、スペインの共同開発機や、トルコの独自開発機など最新鋭戦闘機がお披露目されました。これらの事例から、暗雲の広がり始めた空自F-2後継機開発に必要なものが見えてきます。

FCASは有人戦闘機のみにあらず

 今回お披露目されたFCASのコンセプトモデルは、機首部などの形状はF-22によって確立された、いわゆる「ステルス戦闘機」の形状を踏襲していますが、レーダー波を逸らしやすくするためF-22やF-35よりもさらに外側に大きく傾けた垂直尾翼など、F-22やF-35以上に対レーダーステルス性能を重視したデザインとなっており、筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)はF-22とアメリカ空軍の先進戦術戦闘機の座を争って敗れたYF-23に近い戦闘機という印象を受けました。FCASのサイズは発表されていませんが、コンセプトモデルを見る限り、「ラファール」や「タイフーン」、F-35よりも大きな戦闘機になるのではないかと思われます。

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エアバスが「パリ国際航空宇宙ショー」で公開したFCASの、UAVコンセプトモデル(竹内 修撮影)。

 FCASは「将来航空戦闘『システム』」という名称が物語るように、単に新しい戦闘機を開発するのではなく、「ラファール」と「タイフーン」を後継する有人戦闘機と同時に、これと共に行動するUAV(無人航空機)の開発も並行して行なわれます。

 防衛装備品の国際共同開発では、開発参加国の思惑の違いや役割分担をめぐる争いなどにより難航することも少なくありませんが、フランスとドイツの両国はFCASの開発にあたって、その核となる有人戦闘機の開発はダッソー・アビエーションに、有人戦闘機とUAVを既存の航空機や巡航ミサイル、艦艇などと連携させるシステム「エア・コンバット・クラウド」の開発の主導はエアバスに、それぞれ割り振っています。役割分担を明確にすることによって、開発を担当する企業間の思惑の違いやプライドのぶつかり合いによる摩擦を未然に防ぐという手法を採ったのは、防衛装備品の国際共同開発の経験を豊富に持つフランスとドイツならではの“知恵”と言えるでしょう。

 途中から参加したスペインがどのような役割を果たすのかは明確にされていませんが、スペインの航空機メーカーで、ユーロファイターの共同開発にも参加したCASA(Construcciones Aeronauticas S.A.)は、現在はエアバスに吸収されており、摩擦が生じる可能性は低いと考えられます。

【写真】イギリスのゲームチェンジャー、新戦闘機「テンペスト」

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