仏独西にトルコも 世界の次期戦闘機最新事情 暗雲のF-2後継機開発に必要なものは…?

2019年の「パリ国際航空宇宙ショー」では、フランス、ドイツ、スペインの共同開発機や、トルコの独自開発機など最新鋭戦闘機がお披露目されました。これらの事例から、暗雲の広がり始めた空自F-2後継機開発に必要なものが見えてきます。

トルコ国産戦闘機の目指すものとは?

 今回の「パリ国際航空宇宙ショー」ではFCASだけでなく、トルコが開発を進めている国産新戦闘機「TF(Turkish Fighter)」の実物大モックアップもお披露目されています。

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TAIが「パリ国際航空宇宙ショー」でお披露目した国産戦闘機「TF」の、実物大モックアップ(竹内 修撮影)。

 このモックアップの外観はF-22によく似ており、F-22と同様、胴体内に兵装を収容する「ウェポンベイ」も備えています。サイズも全長19m(F-22は19.56m)、翼幅は14m(同13.11m)とF-22にかなり近く、最大速度もF-22と同じマッハ2.0と発表されており、トルコ版F-22を目指している戦闘機なのではないかという印象を筆者は受けました。

 TFの開発を主導しているトルコの航空機メーカーTAI(Turkish Aerospace Industries)は「パリ国際航空宇宙ショー」の会場で、2023年に初号機を完成させ、2025年に初飛行。2029年に部隊配備を開始するという、最新の開発計画を発表しています。

 今回の「パリ国際航空宇宙ショー」の会場で姿を現したふたつの新戦闘機のうち、FCASは、2018年7月に開催された「ファンボロー国際エアショー」でイギリスが開発計画を発表した「タイフーン」を後継する新戦闘機「テンペスト」と同様、空の戦いのあり方を変える「ゲームチェンジャー」たらんという戦闘機です。一方のTFはゲームチェンジャーではなく、F-22やF-35などに代表される「第5世代戦闘機」を目指しています。ただ、両者とも方向性は異なっているものの、どのような戦闘機が自国に必要であるかをはっきりと定め、どのようなそれをいつまでに実用化するかを明確にしている点は共通しています。

 冒頭でも述べたように、日本のF-2後継機の方向性は定まっていませんが、多少実用化の時期が遅れてもFCASや「テンペスト」のようなゲームチェンジャーを目指すのか、それともTFのように、F-2の退役が開始される2030年代前半までに実用化が見込める、地に足の着いた戦闘機を目指すのかという明確なコンセプトが存在しないが故に、方向性が定まらないのではないかと筆者は思いますし、航続距離や速度、レーダーの探知性能といった性能よりも先に、どのような戦闘機とするかを定める必要があるとも思います。

【了】

【写真】イギリスのゲームチェンジャー、新戦闘機「テンペスト」

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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