走れ走れ、いすゞの「3 1/2tトラック」! 地味ながら多彩すぎる「陸自の必需品」とは
「3 1/2t」はどういう数字?
名称にもなっている「3 1/2t」ですが、いったい何のことを指しているのでしょうか。
「3 1/2t」という数値は、武器やヘルメットなどの装具を装着した1名あたり80kgの隊員が2名乗車した状態で、3500kgの荷物を均一に搭載した「標準積載状態」のことを指します。一説によると、この数値は凸凹の多い演習場などの不整地においても、安定して走行することができる積載量であるともいわれています。
ちなみに、「3 1/2tトラック」の最大積載量は6000kgとなっています。これは先ほど述べた体重80kgの隊員2名を乗車させ、6000kgの荷物を均一に搭載した場合の数値で、この状態での走行は、原則として舗装された一般道のみと定められています。
なぜふたつの積載量が定められているのでしょうか。その大きな理由は、最大積載量を積むとトップヘビーになり、そのまま不整地を走行すると横転しやすい構造であるといえるでしょう。
たとえば、同じいすゞ製で「3 1/2tトラック」に近いサイズのものに、「フォワード」というトラックがあります。この「フォワード」の「カーゴタイプ・標準幅・ショートキャブ車」と比較した場合、水平な地表から車体の一番低い箇所までの垂直距離を表す「最低地上高」は、「フォワード」が185mmなのに対して、「3 1/2tトラック」は330mmとなっています。全高も「フォワード」が2550mmに対して「3 1/2tトラック」は3180mmです。車幅は「フォワード」が2260mmなのに対して「3 1/2tトラック」は2485mmと、若干「3 1/2tトラック」の方が幅広ですが、重心位置が高いことには変わりありません。
最大積載量は「フォワード」がおよそ8tと、「3 1/2tトラック」を大きく上回っていますが、一方で「3 1/2tトラック」は、標準積載量である3500kg以内であれば不整地であっても安定して走ることができる能力を持っている、ということになります。
まあいすゞと言ったところでいすゞはシャシだけで安定傾斜角度や軸重分布などの実測計算値や申請書類の作成はボデーメーカーの仕事ですからね
しかしながら自衛隊御用達ともなれば安定傾斜角度の実測検査は同種の車においては最初の数台程度を実測するだけで以降は計算値の書類審査だけでしょうね。
生産の重量誤差を考えれば計算値の審査で安定傾斜角度の検査に合格を出すなど恐ろしい話なのですがね。
車は左右対称ではないので燃料タンクや運転席の位置など横転の条件が揃う不利な方を実測して安定傾斜の限界を審査して合格を出すべきなのですが生産性を理由に各々の車を実測しないのは不正検査と同じなんですけどね。
何だかんだ言っても、6輪駆動車ですから。
近い仕様というか使い方が近いものはあるには有る。
軽トラックの農繁モデルな。アクティアタックとか。
この手の不整地走行目的の車は、ウルトラローウルトラローバックギアを持ちデフロック機構装備は当たり前。
その代わり高速走行には向かない。しかし、泥濘でもタイヤ直径の半分までなら田んぼみたいな泥沼でも走破できる。タイヤチェーン必須だけどね。
SKW462以前の旧車なら超高空核攻撃によるEMP攻撃喰らって電装系全滅してても、押し掛けすれば始動と走行は可能。
新型は分からんがな。