走れ走れ、いすゞの「3 1/2tトラック」! 地味ながら多彩すぎる「陸自の必需品」とは

全ての陸上自衛官と縁がある、といえるワケ

 実は、「3 1/2tトラック」は、我々の生活にも関係している部分があります。それが災害派遣です。

 災害派遣時には、多くの救援物資や隊員たちを運ぶのに、この「3 1/2tトラック」が用いられます。そういった場合、荷台の側面には大きな「災害派遣」と描かれた横断幕が掲示されているでしょう。その姿は災害が発生するたびに、各メディアなどで紹介されています。

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よく見ると、助手席にもハンドルがついている「教習車」バージョン(武若雅哉撮影)。

 また、いわゆる下士官である曹士隊員たちは、ほぼ全員がこの車両に乗ったことがあるといっても過言ではないでしょう。というのも、陸上自衛隊にてタイヤがついている装輪車を運転するには部内資格が必要なのですが、その資格を取るために使用される教習車がこの「3 1/2tトラック」だからです。仮に、早々に陸上自衛隊を退職してしまった場合においても、荷台に乗って移動した経験があるはずです。

 幹部自衛官にしても、直接操縦(運転)したことはなくとも、人員輸送や物資輸送などの運用を考える際は、この車両がおおむね念頭にあるはずです。

 そのようなわけで、全陸上自衛官と切っても切れない密接な関係にある「3 1/2tトラック」。地味な存在かもしれませんが、無くてはならない必須装備品として、隊員たちから愛されているのです。

【了】

【写真】どう見分ける? 「トラック」との違いは微妙「3 1/2ダンプ」

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コメント

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2件のコメント

  1. まあいすゞと言ったところでいすゞはシャシだけで安定傾斜角度や軸重分布などの実測計算値や申請書類の作成はボデーメーカーの仕事ですからね
    しかしながら自衛隊御用達ともなれば安定傾斜角度の実測検査は同種の車においては最初の数台程度を実測するだけで以降は計算値の書類審査だけでしょうね。
    生産の重量誤差を考えれば計算値の審査で安定傾斜角度の検査に合格を出すなど恐ろしい話なのですがね。
    車は左右対称ではないので燃料タンクや運転席の位置など横転の条件が揃う不利な方を実測して安定傾斜の限界を審査して合格を出すべきなのですが生産性を理由に各々の車を実測しないのは不正検査と同じなんですけどね。

  2. 何だかんだ言っても、6輪駆動車ですから。
    近い仕様というか使い方が近いものはあるには有る。
    軽トラックの農繁モデルな。アクティアタックとか。
    この手の不整地走行目的の車は、ウルトラローウルトラローバックギアを持ちデフロック機構装備は当たり前。
    その代わり高速走行には向かない。しかし、泥濘でもタイヤ直径の半分までなら田んぼみたいな泥沼でも走破できる。タイヤチェーン必須だけどね。
    SKW462以前の旧車なら超高空核攻撃によるEMP攻撃喰らって電装系全滅してても、押し掛けすれば始動と走行は可能。
    新型は分からんがな。