川を買って路面電車通りに 駅と甲子園球場、甲子園線を生んだ阪神電鉄の「大きな賭け」

高校野球の舞台として知られる阪神甲子園球場の横を、かつて路面電車が走っていました。そして、その路面電車が開業するたった数年前、道路はそのまま川だったのです。川と原野を巨額で買収したのは、阪神にとって大きな賭けでした。

甲子園の場所は、かつて周りが川だった

 阪神電鉄本線の甲子園駅(兵庫県西宮市)の南側には、プロ野球球団「阪神タイガース」や本拠地や高校球児の“聖地”などとして知られる阪神甲子園球場がそびえ立っています。駅と球場のあいだにあるスペースは、試合やイベントのたびに来場者でびっしり埋め尽くされます。実はこの球場の前を、かつて路面電車が走っていました。

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甲子園球場の東側には、路面電車の架線を吊っていた柱が根元だけ残っている(2019年7月、宮武和多哉撮影)。

 およそ50年にわたってこの地を走っていたのは、阪神電鉄の路面電車「国道線」の支線、通称「甲子園線」です。たった3kmほどの短い路線でしたが、終点の浜甲子園駅の周囲には関西有数の住宅団地や遊園地、学校などがびっしり連なり、その営業成績は最後まで好調を保っていました。

 しかし、甲子園線が開業する前は、この場所は人家もまばらでした。また甲子園線が走ることになるルートは道ではなく、武庫川から分かれた枝川と申川という川だったのです。

 枝川は、本流である武庫川の1kmほど西側を並行して流れ、途中でさらに申川と分かれて大阪湾に注いでいました。阪神本線が開業した1905(明治38)年当時、いまの甲子園駅の場所は枝川を渡る鉄橋であり、そのときはもちろん球場も駅もありませんでした。

【写真】阪神甲子園線の跡をたどる

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