東海道・山陽・九州新幹線「N700系」どんな車両? 300km/h復活、改良「N700A」も走る
見た目の違いは「A」の大きさ
N700系は東海道・山陽新幹線用の16両編成が2007(平成19)年にデビュー。当初は「のぞみ」を中心に使われ、のちに「ひかり」や「こだま」でも使われるように。2009(平成21)年に先行試作車を使って行われた高速試験では332km/hを記録しました。
2011(平成23)年に九州新幹線が全線開業すると、山陽・九州新幹線用の8両編成がデビュー。新大阪~鹿児島中央間を直通する「みずほ」「さくら」で使われています。車体は薄い青をベースに濃い青と金色を組み合わせた帯を巻いたデザインに。普通車の指定席はグリーン車と同じ4列です。
2013(平成25)年にはN700系の改良型「N700A」が東海道・山陽新幹線でデビュー。台車の振動を検知するシステムや、自動的に一定の速度で走り続ける装置を搭載し、東海道新幹線での最高速度は285km/hに向上しました。従来の東海道・山陽新幹線用N700系もN700Aに改造されましたが、改造車は台車振動検知システムを搭載していません。
外から見た限りでは、最初からN700Aとして製造された車両と、従来のN700系をN700Aに改造した車両の姿はほとんど同じ。ただ、側面のロゴマークはデザインが異なり、「最初からN700A」はアルファベットの「A」が大きく描かれているのに対し、「改造N700A」は小さな「A」を追加しています。
2019年4月1日時点の車両数は、東海道・山陽新幹線用が2544両、山陽・九州新幹線用が152両。東海道新幹線の列車はN700Aにほぼ統一されました。2020年にはN700Aの改良型となるN700Sが東海道・山陽新幹線に導入される予定。いまは確認試験車による走行試験が行われています。
ちなみに、N700系の先行試作車もN700Aに改造されましたが、営業運転を一度も行わないまま引退。2019年7月から先頭車を含む3両がリニア・鉄道館(名古屋市港区)で一般公開されています。
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