「全線開通」した三陸鉄道、半年後のいま ラグビーW杯でにぎわうも道路延伸が脅威に

東日本大震災で甚大な被害が出た三陸鉄道。北リアス線と南リアス線が少しずつ運行を再開し、JR山田線の宮古~釜石間も三陸鉄道に移管され運行が始まりました。それから半年。現地はどうなっているでしょうか。

開通効果は3倍も、復興道路との共栄が課題か

 しかし“全線開通”の効果は好調のようです。後の2019年4月の輸送人員は、2018年4月と比べ2.6倍に増えて9万4773人。収入は3倍になり、6970万円の開業効果があったと三陸鉄道が発表しています。開通直後の1か月間だけで判断するのは早計ですが、この好調ぶりをどう維持できるか、早さの復興道路とどう共存共栄していけるかが恐らく今後の課題となるでしょう。

 やがて釜石市の鵜住居駅に近づいてくると、海側に大きな建物が見えます。「釜石鵜住居復興スタジアム」です。筆者が訪れた8月の時点でも、この駅から多くの人が乗り込んできました。現在国内で開かれているラグビーワールドカップの試合会場のひとつにもなっており、釜石は大盛り上がりです。三陸鉄道も一緒に応援しています。試合などがある日は、スタジアムの駐車場が一般開放されないことが多いため、観客は三陸鉄道をはじめとする公共交通機関での移動が推奨されています。

 ラグビーで「釜石鵜住居復興スタジアム」の知名度が高まり、多くの試合が開かれるようになれば三陸鉄道の利用者も一層増えていくことでしょう。そして三陸鉄道の認知度が高まることで、観光目的での列車の利用向上にもつながればと思います。

【了】

【写真】運転再開から半年、宮古~釜石間

Writer:

1984年生まれ。千葉県市川市出身。『週刊朝日』『AERA』などの雑誌のほか、「Yahoo!ニュース個人」「AERA dot.」「DANRO」「ITmedia」などのウェブで執筆。アニメを用いた地域振興からゲーム、IT、鉄道など幅広い分野を扱う。国内の鉄道路線の乗り潰しが趣味だが、災害による不通路線を残したまま数年が経過中。

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