2階建て、展望席… 独創的なアイデアやデザインの特急電車 その歴史を変えた車両5選

鉄道会社の看板とも言える特急電車。各社とも、最新の技術やこだわりのデザインをふんだんに詰め込んでいます。日本の特急電車を語る上で欠かせない車両を5つ選んでみました。

昼夜問わず走った寝台特急電車581系

 151系電車は、快適性の向上に加えてスピードアップも可能にしました。電車は、一般的に架線などから電気を得て自ら走る動力車が分散して連結されているため、先頭の機関車がけん引する列車に比べて加速や減速などがしやすくなります。そのため、電化された区間の特急列車は次々と電車に置き換えられ、増発されました。しかし、車両数が増えたことで夜間に列車を留置する場所が不足。解決策としてとられたのが、同じ車両を夜間も使い、乗客には寝台というサービスを提供することでした。こうして、座席を寝台に変換できる581系電車が生まれました。

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京都鉄道博物館に展示されている581系電車。座席を寝台へ変換できる設備を持つ(2016年3月、伊原 薫撮影)。

 昼間に座席として使う際の利便性を考えて、中央に通路、両側に寝台兼用の座席を配置。夜間は座面と背もたれをスライドさせ、3段寝台の下段としました。中段と上段は、壁側へ立て掛けるように収納されており、夜間は倒してハシゴを設置します。これらの作業は、通勤列車などが営業中の朝や夕方に車両基地で実施。車両にとっては“昼も夜も働きづめ”という状態ですが、こうすることで留置場所の問題をクリアしました。

 もうひとつ、581系電車の特徴だったのが、その前面スタイルです。客室スペースを広げるためにボンネットをなくすとともに、連結時に通り抜けできる貫通構造としたため、切り立った印象になりました。このスタイルは、後に485系電車などにも採用されることになります。

 581系電車は、直流電化区間と交流電化区間(60Hz)の2電源に対応していましたが、やがて交流電化区間(50Hz)にも対応した583系電車へと製造がシフト。車体のデザインは、151系電車の配色に寝台客車の青色を取り入れたカラーリングで各地に足を延ばしましたが、夜行列車の減少とともに本来の役目を終了。晩年は、団体臨時列車などに使われました。

【写真】羨望の的、ハシゴを上って運転席へ

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