東京23区屈指の閑散駅「三河島」には何があるのか? その住所は「西日暮里」な下町
東京23区内ながら、乗車人員が少ないJR駅として知られる常磐線の三河島駅(荒川区)。下町情緒があるこの地域の住所は西日暮里で、山手線などの駅へも徒歩圏内です。駅名には、かつての町名である「三河島」が残されています。
現在「三河島」という住所はない
約950万人が住む東京23区。新宿駅のように一日100万人を超す乗降客が行き交う駅もあれば、埋立地を走るゆりかもめのように、周囲に建物がまばらな駅など、様々な駅があります。
荒川区にある常磐線の三河島駅。鉄道の歴史に詳しい人なら、1962(昭和37)年に160人の死者を出した「三河島事故」でその名前を知っている人もいるかもしれません。この駅の1日平均の乗車人員(2018年度)は1万1508人。東京23区内のJR駅では、京葉線の越中島駅(5735人)、京浜東北線の上中里駅(8062人)、東北本線の尾久駅(1万人)に次いで4番目に少ない閑散駅なのです。
改札口は南千住寄りの一か所だけで、15両編成の列車で反対側の端から降りると、ホームを300mほど歩くことになります。改札口はガード下に並行しています。
駅周辺は下町情緒ある感じの住宅が多く、網目のような路地は、クルマ1台がやっと通れる幅です。駅前は再開発が進んでいるようで、南側にはタワーマンションが、北側には1989(平成元)年に廃校した旧荒川区立真土小学校跡地を利活用した公園「真土小思い出広場」があります。
駅前の尾竹橋通りはクルマや都営バスの往来が多いです。通り沿いにはスーパーやドラッグストア、個人商店も多く、その様子は活気ある下町そのものといえます。とても閑散駅周辺とは思えないにぎわい振りです。
ではなぜ、乗車人員が少ないのでしょうか。駅の住所にそのヒントが隠されているかもしれません。三河島駅の住所は「東京都荒川区西日暮里1丁目」です。そう、ここはまさしく「西日暮里」なのです。
駅の場所は住所ではなく所在地だと思います。