自分の機関砲で自分を撃墜した戦闘機 F11F-1「タイガー」の謎 どうしてそうなった?
撃った弾が降ってきた不幸
アトリッジさんはF11F-1を飛行場までたどり着かせるべく努力しましたが、最終的にそれを断念して付近の森に不時着を余儀なくされてしまいます。アトリッジさんは無事だったものの、機体は全損してしまいました。
F11F-1の制御が困難になった原因を、飛行中の鳥との衝突(バードストライク)によるものと判断したアトリッジさんは、管制塔にもその旨を報告していましたが、のちにグラマンとアメリカ海軍の行なった調査により、自機の発射した20mm機関砲弾が命中していたという驚愕の事実が判明しました。
機関砲弾や機関銃弾は発射されると一定の時間、直進しますが、それ以降は直進性が低下して、最終的には引力に引かれて地上に落下します。水平に発射された20mm機関砲弾の弾道直進性が低下して地上へ放物線を描きながら落下していくコースに、ちょうど降下してきたF11F-1が入ってしまい、結果、その砲弾はF11F-1に命中してしまったというわけです。
アメリカ海軍は再発防止策として、F11F-1が機関砲弾を発射した後の降下角度に制限を設けるといった再発防止策を打ち出しましたが、F11F-1は多用途性能の不足などもあって、事故の翌年の1957(昭和32)年から1961(昭和36)年までの4年間で実戦部隊から姿を消してしまいました。
このネタとはちょっと違うけれども
大戦中のパイロットの手記の中には、「地上攻撃の跳弾に当たりそうだった」というのが結構ある。
アメリカは映像記録を多く残しているが、曳光弾の跳弾の中に突っ込んでいくシーンが結構ある。
↑なにこいつぜんぜんかんけいなくねキモ