自分の機関砲で自分を撃墜した戦闘機 F11F-1「タイガー」の謎 どうしてそうなった?

航空自衛隊への売り込みも その後の「タイガー」戦闘機

 F11F-1は機体の重量に比べてエンジンが非力で、速度性能や上昇性能がライバルのF8U「クルセイダー」などに比べて劣っており、これもF11F-1が短期間でアメリカ海軍の実戦部隊から姿を消した理由のひとつと言われています。

 このためグラマンは、エンジンをF-4「ファントムII」などに採用された傑作ターボジェットエンジン「J79」に変更した、F11F-1F「スーパータイガー」を開発しましたが、アメリカ海軍はまったく興味を示しませんでした。

 NATO(北大西洋条約機構)の加盟国や日本などへも「スーパータイガー」を売り込んだグラマンは1958(昭和33)年4月、日本政府から航空自衛隊F-86F「セイバー」戦闘機の後継機として「スーパータイガー」230機の導入内定を獲得します。しかし政治家に対し採用の見返りとして資金提供が行われたのではないか、との疑惑が浮上したことなどから、関係者の事情聴取や証人喚問に発展する事態となり、「スーパータイガー」の採用は白紙に戻されました。

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航空自衛隊がかつて運用していたF-104J戦闘機(柘植優介撮影)

 その後、航空自衛隊の源田 実幕僚長(当時)を団長とする官民合同の調査団が渡米して、2か月半にわたる調査を行った結果に基づく報告書を元に機種の再選定が行なわれた結果、ロッキード(現ロッキード・マーティン)のF-104「スターファイター」がF-86Fの後継機に採用されます。自分の発射した機関砲弾で撃墜された唯一(当時)の戦闘機の血を引く「スーパータイガー」は、日本の空を飛ぶことなく終わってしまいました。

【了】

【写真】青が鮮やか 「ブルーエンジェルス」仕様「タイガー」戦闘機

Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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コメント

2件のコメント

  1. このネタとはちょっと違うけれども
    大戦中のパイロットの手記の中には、「地上攻撃の跳弾に当たりそうだった」というのが結構ある。
    アメリカは映像記録を多く残しているが、曳光弾の跳弾の中に突っ込んでいくシーンが結構ある。

  2. ↑なにこいつぜんぜんかんけいなくねキモ