東京に来て驚いた鉄道 故郷福井と色々違った… 「時刻表いらず」は同じでも意味違うし

駅で待ち合わせ 都会の方が細かくなりがち?

 上京後ほどなくして、知人に「京急に乗りに行こう。品川駅待ち合わせで」と誘われたときのこと。最寄りの新川崎駅から品川駅(東京都港区)まではJR横須賀線1本で行けます。予定より早めに駅に来た私。電車を待っていると、駅ホームに入線してきたのは「湘南新宿ライン」でした。

「なんか微妙に違うけど、まあいいや」

 乗車後、ドア上部に掲出されていた路線図で品川駅に行かないことを知りました。湘南新宿ラインは、JR横須賀線や東北本線などを経由する路線の愛称だといまなら説明できます。品川駅の手前で横須賀線と分岐するのです。ただし当時は、前述の「相互直通」と同じように、「いろんな路線にまたがって走る列車」の概念を持ち合わせていませんでした。結局、2つ先(当時)の大崎駅(東京都品川区)で下車し、ダッシュでJR山手線に乗り換え、待ち合わせ時刻ギリギリに品川駅へと至りました。なお、待ち合わせ場所を「品川駅」と端折って書いたものの、正確にはこのとき「品川駅の京急改札前」だったはずです。

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かつてJR京浜東北線で使われていた209系電車(2009年3月、蜂谷あす美撮影)。

 帰省の際、私は両親に「福井駅まで迎えに来てや」と連絡しますが、これが都心の、それこそ新宿駅のようなところだったら「どの改札口か」まで決めておかないと、永遠に出会えないことでしょう。都会のほうが待ち合わせは細かくなりがちですね。

 最後に、上京して一番驚いたことを紹介します。それはJR京浜東北線での思い出です。空席を見つけて着席したところ、椅子のあまりの硬さに悶絶しました。地元の列車と同じ感覚で勢いよく座ったのがよくなかったのでしょう。当時は209系電車と、現在も運用についているE233系電車の入れ替わりの時期で、私が乗ったのは古い方の209系電車でした。

「こ、これが東京の洗礼か……」とふるさとが恋しくなりました。

【了】

【写真】懐かしいオレンジ一色の中央線

Writer: 蜂谷あす美(旅の文筆家)

1988年、福井県出身。慶應義塾大学商学部卒業。出版社勤務を経て現在に至る。2015年1月にJR全線完乗。鉄道と旅と牛乳を中心とした随筆、紀行文で活躍。神奈川県在住。

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コメント

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3件のコメント

  1. この記事は脚色もあるのかと思うけど、
    大事な日に乗る電車を事前に調べないことにものすごく違和感を覚えます。
    まして、受験時は緊張してしまうので、リスクはできる限り排除したいはずです。

    明日からセンター試験ですが、今はスマホアプリを見れば細かく案内をしてくれます。
    事前にシュミレーションしておくことが大事です。

    • >大事な日に乗る電車を事前に調べないことにものすごく違和感を覚えます
      ここに同意。
      自分の受験は1990年代で、名古屋近郊の自宅から、私大の受験で2回上京しました。
      当日移動では間に合わないので前日に上京して宿泊したわけですが、高校の先生には口を酸っぱくして「受験会場の下見をしておけ」と言われてたので、宿にチェックインしたあと、実際に会場まで移動してみて、駅では時刻表のチェックもしました。
      2回のうち1回は、受験前日&二日前に太平洋側一帯に10年に1回レベルの大雪があり、上京時の新幹線は盛大に遅延、都内も歩道に雪が積もった状態での受験でした。
      幸い、受験当日には鉄道の影響はなくなっていましたが、ラッシュの混雑には閉口。下見しておいてほんとよかったです

      23区内だと可能性レベルですが、明日は雪予報が出てますし、センター試験にいく受験生の皆さんはほんと気をつけてくださいね…

  2. 18年前、会社の転勤で東京に移り住んだのは24歳でしたが、当時、ガラケーで乗換案内がありましたので、今と変わらず、地下鉄も私鉄もすいすい乗換できました。
    事前の調べは必要ですよ。
    所沢に移り住んでから、なぜか都心の会社に転職してしまい、片道一時間半、乗換四回もありましたが、ガラケー片手に毎日通勤してました。