海を渡る鋼鉄の塊 「世界の水陸両用戦車」5選 上陸作戦に欠かせぬ能力とは

海中の島や河川の対岸に攻撃する際、上陸部隊とともに水上を渡って行ける戦車があったら……というのはやはり誰しも考えたようで、これまで各国でさまざまな水陸両用戦車が開発されてきました。そのなかから5つを見ていきます。

英の水陸両用戦車はあのノルマンディー作戦へ投入

 上陸作戦を行う際、火力支援のために戦車がいると非常に心強いです。

シャーマンDD(イギリス/アメリカ)

 第2次世界大戦中、イギリスがノルマンディー上陸作戦の前に、既存のアメリカ製M4「シャーマン」戦車を改造する形で生み出したのが「シャーマンDD」戦車です。

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「シャーマンDD」を後方から見た写真。車体後方下部に増設されたスクリューが確認できる(画像:帝国戦争博物館/IWM)。

 浮力を確保するための折り畳み式「防水スクリーン」と、車体後部に2基装備したスクリューが特徴です。水上航行時はスクリーンを砲塔の上まで伸ばし、横からはバスタブ状のものが浮いているように見えます。そのため、原型のM4戦車と同じ75mm戦車砲を搭載していましたが、水上で主砲や機銃を撃つことはできませんでした。

 ノルマンディー上陸作戦では、イギリス軍以外にカナダ軍やアメリカ軍でも使われ、高波などで沈没した車体もありましたが、上陸に成功しフランス内陸部に向けて進撃したものもありました。

PT-76(ソ連)

 PT-76は、第2次世界大戦直後に旧ソ連が開発した戦後型の水陸両用戦車で、フロートやスクリーンの展張が必要ない船型車体に、ウォータージェット推進構造を採用していました。

 主砲は76.2mm砲で、ほかに7.62mm機関銃を2丁装備しています。1951(昭和26)年からソ連海軍歩兵などに配備が始まりましたが、安価な軽戦車として数多くの友好国に供与された結果、水陸両用戦車というニッチな車体ながら約1万2000両もの大量生産が行われました。

【写真】生産数1万両越え 水陸両用戦車のベストセラー PT-76

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