海を渡る鋼鉄の塊 「世界の水陸両用戦車」5選 上陸作戦に欠かせぬ能力とは

水陸両用戦車も主砲の大口径化が続く

 国土の各地に湖沼が広がり、バルト海を挟んで旧ソ連と対峙していたスウェーデンの、第2次世界大戦後に独自開発した水陸両用戦車がIkv 91です。

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ボービントン戦車博物館で動体展示されるスウェーデンのIkv 91(柘植優介撮影)。

 フロートやスクリーンを使わず、浮力を確保するため重量の割に大柄な車体で、航行時は車体前部へ波切り板を立て、推進力は履帯の回転によって生み出します。主砲は90mm砲で、このほかに7.62mm機関銃2丁や、71mmてき弾発射機2門を搭載し、さらにNBC防護装置も装備していました。

 1975(昭和50)年から210両が生産されましたが、旧式化により現在は全数退役しています。

05式水陸両用戦車(中国)

 2020年現在、世界で最も新しい水陸両用戦車は、中国の「05式水陸両用戦車」です。中国が独自開発した水陸両用戦車で、水上航行はウォータージェットで行います。

 主砲は対戦車ミサイルも発射可能な105mm砲で、このほかに12.7mm重機関銃と7.62mm機関銃を1丁ずつ装備します。また輸出にも成功しており、ベネズエラでの運用が確認されています。

※ ※ ※

 なお、空挺戦車として知られるアメリカのM551「シェリダン」も、水上航行が可能な戦車のひとつです。

【了】

【写真】生産数1万両越え 水陸両用戦車のベストセラー PT-76

Writer: 柘植優介(乗りものライター)

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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