元東急電鉄の電車 なぜ各地でよく見るのか? ポイントは長さ・軽さ・車体の素材…

東急7000系列や8000系列 大量製造が部品調達を容易に

 そのようななか、東急7700系や1000系は1両の長さが18mと、中小私鉄にとって、言ってしまえば「丁度よい」大きさでした。JRや大手私鉄の車両は、多くが長さ20mのもので、18mの車両は少数派。そのため、東急7700系や1000系は、中小私鉄からの引き合いが多いのです。

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東急8000系電車を改造した、静岡県の海沿いを走る伊豆急8000系電車。塩害に強いステンレスの車体が評価されている(2013年3月、児山 計撮影)。

 加えて東急7700系や1000系、1両の長さが20mの東急8000系電車や東急8500系電車は車体がステンレス製であるため、従来の鋼鉄製に比べ軽量です。軽いぶん、線路への負荷が少なく省電力で走行できることも、中小私鉄が東急電鉄の車両を導入する理由です。ちなみに、伊豆急行のように海沿いに路線を持つ鉄道会社からは、ステンレス車体のため錆に強く、補修や塗装の手間が少なくて済むという点も評価されています。

 東急7700系を含む7000系列と8500系を含む8000系列は、合わせて800両以上が製造されました。大量に造られたため、メンテナンスの際は部品調達が容易なところも、大きなメリットでしょう。保有する車両数が大手ほど多くないため、従来の車両をすべて廃車にし元東急電鉄の車両へ統一することで、メンテナンス費用を抑える会社もあるほどです。

 このように、適度な大きさや軽い車体、メンテナンスの容易さなどといった理由で、元東急電鉄の車両は各中小私鉄に譲渡され、地方で見られるのです。

【写真】譲渡前、東急線で現役だったころの1000系電車

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コメント

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3件のコメント

  1. 東急の中古車は高いけど、
    地方私鉄にはちょうどいいんだよな。

    廃車時期にもよるけど、
    18mか20mか選べるし、
    編成出力も過大ってこともないし。
    その上で狭軌で
    更にステンレスで塗装設備要らず。

  2. 今売れているのが東急車というのは事実だけど、その時その時での売れ筋は異なることにも目を向けておかねば。

    実は大事なのは譲渡元と譲渡先で車両譲渡時期が合致すること。時期が合致しなかったために譲渡が実現しなかった阪急2800系のような事例もあるし、ゲージで不利だったはずの京王旧5000系が大量放出と京王重機のサポートにより人気中古車になったのも事実。

    話がずれるが、今後の関東では京急・京成・都営浅草線グループと東急池上線・多摩川線くらいしか18m車の出所がなくなるので、他社がいかにして20m車を買わせるかに注目している。

  3. 東急は自社で使用中にメンテナンスを丁寧に行っているので状態は良いと思います。最近の進化した車両になる前(アナログな車両特に緑色の車輌)は故障も少なかったですね。平均50年くらいは使えてると思いますね。