全国「分断国道」5選 車両通行不能な峠区間に「酷道」区間 改良工事が進む道路も
北陸新幹線の敦賀延伸にあわせて「酷道」解消なるか?
新幹線の整備や空港の利用状況が、国道の車両通行不能を解消する動きへつながっているところもあります。
国道417号「冠山峠」(岐阜県~福井県)
岐阜県大垣市から福井県南越前町までを南北方向に結ぶ道路で、両県の境に位置する冠山峠の前後に車両通行不能があります。ただし国道に接続する形で林道があり、感覚としては一続きの道路として通行が可能ではあるものの、この林道はクルマ1台ぶんほどの幅しかなく、急カーブや急勾配が連続し、そして冬季は閉鎖されます。
この林道をバイパスする形で、国道417号本線となる「冠山峠道路」の建設が進められています。全長7.8kmのうちの大部分を占める2本のトンネルは1本が貫通済み、もう1本も2020年2月現在で83%まで掘削されているほか、橋の工事なども進んでいます。
福井河川国道事務所によると、この冠山峠ルートは北陸道や国道8号の迂回路になるといいます。中部地方の9県と名古屋市、静岡市、浜松市からなる中部圏開発整備地方協議会は、北陸新幹線の金沢~敦賀間が開業する2022年度までの開通を国に要望しています。
国道452号 芦別~美瑛(北海道)
国道452号は北海道の中央部、夕張市と旭川市を南北に結ぶ道路で、そのうち芦別市と美瑛町のあいだに車両通行不能区間があります。芦別町側6.8kmが「盤の沢道路」、美瑛町側11.7kmが「五稜道路」の名で、それぞれ車両通行不能区間を解消する道路の建設が進められています。
これら道路の大きな目的は、美瑛町側の車両通行不能区間入口から約20kmの位置にある旭川空港のアクセス強化です。芦別の市街地から旭川空港までの所要時間が20分以上短縮される見込みです。北海道開発局 札幌開発建設部によると、旭川空港は近年、国際線の利用者が増えているほか、芦別市でも外国人観光客が急増していることから、この車両通行不能区間の解消は、新たな周遊観光ルートの形成につながるとしています。
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ちなみに、全国にはフェリーの運航をもって、海を隔てても1本の国道に見なされるという「海上区間」も存在しますが、これも車両通行不能区間の一種です。また、階段が国道に指定され、観光名所にもなっている青森県竜飛岬付近の「階段国道」なども同様です。
【了】
第二の「道道静内中札内線」見たく事業凍結にならなければ良いと思いますが⁉️。