ロンメル元帥が行った「ハリボテ戦車大軍団作戦」 だまし合いの戦場 イギリスも対抗

第2次世界大戦、北アフリカ戦線の舞台は広大な乾燥地帯で、どの程度の規模の部隊がどこへ向かっているのかが敵からも丸見えでした。そのため、その問題を逆手にとった戦法が多用されます。すなわちハリボテなどを用いた欺瞞作戦です。

イギリス軍は偽物の基地まで作って偽装!

「ハリボテ」は単純な方法かもしれませんが、現在ほど高性能なレンズやカメラなど光学機器のなかった時代、砂煙や地表の熱による空気のゆらぎなどで視認が困難なケースも多かったのです。ちなみにロンメルは、ハリボテ戦車をわかりにくくするために、先頭には本物の戦車部隊を配置し、とにかく砂煙を沢山出すようにと厳命していたそうです。

 ほかにも、偽装した燃料集結所、指令所に模した偽の家屋なども設置しました。これら欺瞞作戦がどれほど効果を発揮したかは意見が分かれるところですが、枢軸軍は、戦車の保有数で劣勢の局面が多かったにも関わらず、戦闘を優位に進めて、1942(昭和17)年7月にはエジプトのエル・アラメインまで軍を進めます。

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第2次世界大戦の北アフリカ戦線にて、イギリス軍のハリボテ戦車。トラックを偽装している(画像:帝国戦争博物館/IWM)。

 一方イギリス軍も同じく、ハリボテなどを用いた欺瞞作戦を同戦線で活用しました。特に大規模だったものとして知られるのが、1942(昭和17)年10月から開始された「第2次エル・アラメインの戦い」です。このときイギリス軍のモントゴメリー大将は、枢軸軍を北側から攻撃することを計画していましたが、南側から攻撃するように見せかけるために、北側に集めた戦車をトラックに偽装し、南側にはハリボテ戦車のほかに、偽のパイプライン、偽の線路、偽の燃料や水を貯蔵する施設、さらには偽の建築音まで出して偽装しました。

 こうした偽装の効果に加え、同地周辺の制空権、制海権をイギリス軍が維持していたこともあり、大規模な反撃が成功。疲弊していた枢軸軍を後退させ、以降、イギリス軍は完全に北アフリカの戦いでの主導権を握ります。

【写真】北アフリカ戦線 ハーフトラック指揮車「グライフ」に座乗するロンメル中将

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