陸の巨砲と「大和」の奇妙な符合 WW2ドイツは「カール自走砲」でなにをしたかった?

戦争は戦術や兵器の研究開発を加速し、大きな変革をもたらしうるものですが、それに取り残された兵器は不遇な末路を辿ることになります。戦艦「大和」しかり。そして陸上でも、古い思想で作られたドイツの巨砲が時代に取り残されました。

下るパリ砲撃命令! 時代遅れの巨砲が戦ったヨーロッパ戦線

 登場からいきなり時代に取り残された感のあるカール自走砲でしたが、2両から3両で1個中隊、それを2個集めて重砲兵大隊を編成して東部戦線へ送られ、1941(昭和16)年6月のソ連侵攻(バルバロッサ作戦)で実戦デビューします。セバストポリ要塞攻撃では本領を発揮し、強固な砲台を破壊する戦果も挙げています。

 しかし大きく重く使い勝手が悪かったため、戦車が走り回るような戦線の動きについていけません。巨大な60cm砲が火を噴く機会はほとんどありませんでした。このあたりも戦艦「大和」に符合するものがあります。

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カール自走砲の断面図(遠藤 慧作図)。

 1944(昭和19)年8月、ドイツ軍は劣勢となり占領したフランスから撤退することになります。『パリは燃えているか』という映画にも描かれたように、ヒトラーは撤退する際、パリの破壊命令を出しました。

 その時、ポーランドのワルシャワにいたカール自走砲を運用する砲兵部隊にも、パリ破壊のために移動が命ぜられますが、先にドイツ占領軍が降伏したため、華の都に2000kgの砲弾が降り注ぐことはありませんでした。一方ポーランドでは1944年6月、「ワルシャワ蜂起」が起こり、カール自走砲は8月に編成された第638重砲大隊(自走)に配備され弾薬250発を受領、ワルシャワ市街を砲撃しています。

 このあともカール自走砲は、時代遅れの巨大兵器ではありながらも、終戦の年まで戦い続けます。

【写真】カール自走砲 砲撃の瞬間 ほか

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