陸の巨砲と「大和」の奇妙な符合 WW2ドイツは「カール自走砲」でなにをしたかった?

戦争は戦術や兵器の研究開発を加速し、大きな変革をもたらしうるものですが、それに取り残された兵器は不遇な末路を辿ることになります。戦艦「大和」しかり。そして陸上でも、古い思想で作られたドイツの巨砲が時代に取り残されました。

最後の発砲は自国の鉄道橋に向けて

 ドイツの敗色濃厚となった1945(昭和20)年3月11日には、連合軍の進撃を阻止するため、ライン河に架かるルーデンドルフ橋を破壊する砲撃を行います。14発発射しましたが、命中弾を与えることはできませんでした。3月22日の公式記録によると、カール自走砲は待機状態で西部戦線に2両、ドイツに2両、修理準備保管状態が3両となっており、7両すべてが生き残っていましたが、実際に発砲したのは3月11日が最後のようです。

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バルバロッサ作戦で撮影された砲撃準備中の3号車。操作には21名が必要だった(画像:アメリカ公文書館)。

 終戦間際になると放棄、処分され、アメリカ軍とソ連軍が鹵獲します。アメリカやソ連で試験されますが、さほど関心を引くことはなかったようです。その後、行方不明となりますが、ソ連のクビンカ戦車博物館に現存していることが1990年代、ソ連崩壊直前に明らかになりました。

 2020年現在、クビンカ戦車博物館は一般公開されており、ドイツが作り上げたもうひとつの超重量兵器で幻ともいわれていた超重戦車「マウス」と並んで展示されています。展示施設の改装工事に際し、両車とも重すぎて簡単には動かすことができない困りものだったそうで、21世紀でも巨大兵器の特徴を存分に主張しています。

【了】

【写真】カール自走砲 砲撃の瞬間 ほか

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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