どう決まる? 踏切の開閉タイミング 待ち時間にも理由あり 「開かずの踏切」対策も

列車の速度にあわせた遮断時間 長くなりすぎない工夫とは

 遮断機の動作タイミングは、踏切の手前の線路上に列車が通過したことを検知する装置が設置されており、これで計っています。たとえば、列車が100km/h(28m/s)で走行する路線であれば、踏切に到達する30秒前の地点、つまり約830m手前で検知すればちょうどいいタイミングで遮断機が閉まるというわけです。踏切を通過した先にも同様の装置を設置し、列車が通過したことを検知したら遮断機を開くという仕組みです。

 しかし、ここでひとつ問題が生じます。すべての列車が同じ速度で走行していれば問題ないのですが、速度の遅い貨物列車が走っていたり、あるいは次の駅で停車するために速度を落としている列車と、次の駅を通過するために速度を保っている列車が混在したりしている場合、踏切の鳴動するタイミングが合わなくなってしまいます。

Large 200424 crossing 03

拡大画像

写真左側の「×」表示は、踏切が遮断していることを運転士などに知らせる信号機(画像:写真AC)。

 こうした場合、基本的には速度の速い列車を基準にして踏切の遮断タイミングを設定しますが、そうすると速度が遅い列車の場合に、必要以上に踏切が長く閉まってしまうことになります。踏切の遮断時間が長くなれば、それだけ道路交通がストップし、渋滞が発生したり、利便性が低下したりしてしまいます。

 そこで一部の路線では、通過する列車の種別を機械で自動的に確認し、その列車の走行速度にあわせたタイミングで踏切を鳴動、遮断できるようにする「踏切警報時間制御装置」、通称「賢い踏切」を設置して対応しています。これにより、ピーク時の踏切遮断時間が10分以上短縮された例もあるようです。

 踏切の待ち時間はイライラしがちですが、列車と人、クルマなどの、両方の安全を守るためのものですから、決して無理に横断したり、遮断機をくぐり抜けたりせず、安全を確認してから渡るようにしたいものです。

【了】

【写真】鉄道がないのに踏切が… 閉まるタイミングは?

Writer: 枝久保達也(鉄道ライター・都市交通史研究家)

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. 立体交差化の建設用地や建設費用等難しい問題が山積みかもしれませんが、せめて東京23区内にある全ての踏切は廃止を検討して欲しいですね。
    重大事故が発生していない所や開かずの踏切問題になっていない所はあまり対策がなされずに放置されている気がします。