銀座の「住所未確定地」変わる? 動き出す「KK線の緑道化」 なぜそうなった?
KK線高架下の店の住所に「地先」が付くワケ
KK線の下には「銀座インズ」「銀座ナイン」などの商業施設や、数多くの商店が立ち並んでいます。東京高速道路は、そのテナント料で道路の維持費をまかない、無料の自動車専用道路を提供しているわけですが、銀座インズの住所は「中央区銀座西3丁目1番地先」、銀座ナインは「銀座8丁目10番地先」、東京高速道路の本社所在地も「銀座1丁目3番地先」と、末尾に「地先」がついているのです。
これは、地番のついていない「無番地」であることを意味し、それぞれの施設やテナントが、便宜的に住所を設けています。
本来の住所としての「銀座」は1丁目から8丁目までで、「銀座西」というのは古い住所表記がそのまま使われています。また、「銀座ナイン」の施設名にも表れていますが、これらKK線下の無番地は「銀座9丁目」と通称されることもあり、なかには実際に「銀座9丁目店」を名乗る店舗も。その一方で、銀座インズのなかには所在地を「千代田区有楽町」としているテナントも存在します。
住所が決まっていない理由は、東京高速道路が川や濠を埋め立てて造られたからです。中央区環境政策課によると、KK線の土地は東京都の所有で、公共性の高い道路事業を行う東京高速道路に貸し付けているのだとか。またこの土地は中央区と千代田区、港区を隔てており、過去には帰属が話し合われたこともあるものの答えは出ず、話し合いも数十年間、行われていないそうです。
KK線の緑道化については、どこが事業の主体になるのかといったことも、現時点では決まっていないといいます。中央区の案は、様々な開発計画が一挙に進むなかで、緑の空間をつくりたいという区の「思い」を形にしたもの、とのこと。東京都は東京都で、首都高を含め、KK線の今後についても検討しているそうです。
中央区環境政策課は、「あの場所が何区なのかという議論は、また別次元の話」としています。
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