燃油サーチャージ「マイナス」も 原油安が旅行に追い風か コロナ禍の夏どうなる?
手放しで喜べない原油安
このように、航空や船舶各社が燃油サーチャージを決める基準や、その基準の値が反映されるタイミングも各社によって異なります。原油の取引価格そのものを基準にしているケースもあれば、電力価格など、別の市況価格を基準にしているケースもあります。
長距離フェリー協会によると、特に海運関係では2020年1月から燃料の環境規制が世界的に強化され、各社が燃料の種類を変えています。従来、多くの会社が参考にしていた「C重油紙パルプ価格」から燃油サーチャージの指標を変更した会社も多く、「実績が少ないため値動きが読めない部分がある」とのこと。
しかしながら、この春の原油安が、夏から秋、冬にかけての各社の燃油サーチャージを押し下げる可能性はあるといえるでしょう。
ただ船も航空も、新型コロナウイルスの影響により利用が大きく下がっています。たとえば東京都小笠原村は、6月中は来島および上京の自粛を求めているほか、7月から段階的な来島者の受け入れを予定しているものの、今後の状況次第で変わる可能性もあるとしています。
自治体のガイドラインに準じる形で、「おがさわら丸」は8月も、相部屋の席数を減らすなどして通常およそ800名のところ400名分程度の販売に絞り、いわゆる「ソーシャルディスタンス」を確保しているといいます。「安くなっているのでぜひ来て! と言いたいところではあるのですが……」と、小笠原海運は悔しさをにじませます。
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