旧陸軍一〇〇式重爆撃機「呑龍」の誤算 計画上は護衛機いらずの最強爆撃機 実際は…?

初期段階の計画書は夢のようなプランが書いてあることはよくあります。一〇〇式重爆撃機「呑龍」も当初はこれに応えるべく開発が開始されました。ある部分では応えられるも、全体的に見ると優れているとはいいにくいものでした。

「呑龍」は太平洋での戦いへ…現場の評判は?

 新たに太平洋やインド洋方面で対米、対英戦が始まると、本来の目的である、ソ連との戦いを想定した大陸を長距離飛行する爆撃機というプランはどこかにいってしまいます。ただでさえ信頼性の悪いエンジンで、慣れない長距離での洋上飛行を行うことはかなり困難でした。

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昭和天皇も行幸されたことのある、中島飛行機(現、スバル)の本館社屋(斎藤雅道撮影)。

 そして、一番の売りだった重武装に関しても、戦闘機の進歩や、そもそも人力操作による照準では限界があることから、対米戦が始まると結局、戦闘機の護衛がないと危険という判断になりました。いまでこそ、いくら武装しても爆撃機にとって戦闘機が天敵なのは万人の知る事実ですが、当時はまだ、防御火器さえ充実していれば戦えるかもしれないという淡い信仰があり、あのアメリカ軍ですら防御火器に自信がある「B-17」や「B-29」に護衛をつけず爆撃作戦に投入し、決して少なくない損害を出しています。

 現場の評判も芳しくなかったようで、九七式重爆撃機から乗り継いだパイロットには「『呑龍』の名前の通りどん重」と揶揄する人もいたそうです。結局、早々に後継機である四式重爆撃機「飛竜」にその座を譲ることに。なお、四式重爆撃機「飛竜」に関しては三菱製双発爆撃機の完成形といわれ、当時の人からも四式戦闘機「疾風」と共に「大東亜決戦機(大東亜決戦号)」として期待されていました。

 一〇〇式重爆撃機が参加した爆撃作戦のなかで最も有名なのが、オーストラリアのポートダーウィン爆撃です。同作戦で同機は2機が墜とされるものの、残り16機が「スピットファイア」戦闘機の猛攻を耐えきり、爆撃を成功させ帰還しています。ただ、当初陸軍が夢見た爆撃機隊単独での殴り込みではなく、一式戦闘機「隼」の護衛つきでした。

【了】

【写真】南の島へ配備された「呑龍」

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ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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コメント

1件のコメント

  1. 「爆弾倉を持たず」とありますが、外に爆弾を吊した写真は見たことがありません。また、三面図にも爆弾倉の線がクッキリと書き込まれており、一方、爆弾を吊す爆弾架は描かれていません。どういう根拠で爆弾倉を持たないとお書きになったのでしょうか。不思議ですね。

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