そういえば… かつて駅で見られたもの なぜ消えた? 思わぬ形で復活した伝言板がある

コロナ禍で復活した東神奈川駅の伝言板

 携帯電話などが普及するまで、多くの駅には伝言板がありました。待ち合わせ場所や時間などをそこに書き込み、人から人へ伝言をつなぐ役割を果たしていたのです。

 前述の通り、通信機器が発達し誰しもがスマートフォンなどで連絡を取り合える現在、伝言板の需要はほとんどなくなりました。駅によってはポスターの貼り付け場所などとして残されている場合もありますが、いたずら防止の観点などからチョーク類は撤去されていることも多いようです。

Large 200805 katsute 02

拡大画像

秩父鉄道の三峰口駅にある伝言板(2017年4月、大藤碩哉撮影)。

 しかし2020年4月、JR東神奈川駅(横浜市神奈川区)に期間限定で伝言板が復活しました。政府が発出した緊急事態宣言の最中のことです。伝言板は観光ポスターなどがはがされた駅の壁に設置されました。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため自粛生活が続く中、駅係員が、駅利用者が思いを自由に書き込み共有することで閉塞感が少しでも和らげばと考え、手作りしたものです。

 ほかにも、おもに長距離列車が停車する駅ホーム上でかつて、駅弁を販売する「立ち売り」の姿が見られました。窓越しに乗客とやりとりする光景もあったようです。現在でも一部の駅や観光列車の運行に合わせて立ち売りが出ることがありますが、駅弁屋自体の廃業や車両性能の向上による停車時間の短縮、窓の開かない特急形車両が主流になったなどの要因で、ほぼ見かけなくなったものの一つです。

【了】

【写真】懐かしい駅弁立ち売りの風景

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。