ワゴンは斜陽か? 実は売れてる現存モデルに新型レヴォーグも登場 実際何がイイのか
他メーカーも健闘!
続いて人気なのはホンダのワゴン「シャトル」です。2020年1月から6月の販売ランキングは38位。2015(平成27)年のデビューから5年を経ていることを考えれば大健闘の成績でしょう。
コンパクトカーのフィットをベースに、荷室を伸ばしたようなスタイルで、ミニバンのような室内の広さが確保されています。それでいて200万円弱という価格は、手ごろ感があるでしょう。兄貴分であった「ジェイド」が販売終了になってしまったのも、シャトルという存在があったことも理由になるのではないでしょうか。
最後に紹介するのが、マツダの「マツダ6」ワゴン。フラッグシップセダンの派生モデルです。マツダの中では上級モデルということで、パワフルな2.5Lガソリンターボエンジンや2.2Lディーゼルを選べます。
また、セダンとワゴンでホイールベースを変えるといったこだわりで、広い荷室と優れたハンドリングを両立しており、近年のマツダ車共通ともいえる「デザインの良さ」「走りの良さ」を味わえると言えるでしょう。弱点はハイブリッドがないことくらいでしょうか。マツダ6の販売台数もワゴンが46%を占め、セダンとほぼ互角です。ユーザーは40代から50代が中心で、キャンプやスキー、トレッキングなどを楽しんでいるとか。
そもそも、ステーションワゴンの魅力は「セダンと変わらぬ優れた走行性能」「スタイリッシュな姿」を備えつつも「商用車にも使われるほどの高い実用性(荷室の広さ)」を実現することです。そうしたクルマを求める声が消えたわけではありません。それはカローラを筆頭とする、現存するステーションワゴンの売れ行きを見れば、間違いないことと言えるでしょう。
一方、SUVブーム真っただ中の日本市場において、ステーションワゴンは「トラディショナルな存在ゆえの古臭さ」「実用性でミニバンには劣る」という欠点があるとも言えます。ただし、それらは本来的には、致命傷になるようなものではありません。新型レヴォーグの登場をきっかけに、ステーションワゴンの魅力を改めて見直すのはいかがでしょうか。
【了】
Writer: 鈴木ケンイチ(モータージャーナリスト)
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体にて新車レポートやエンジニア・インタビューなどを広く執筆。中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。1966年生まれ。
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