通勤電車なのに「洗面所」 ああ懐かしい「最後の国鉄急行形」455形700番台

急行形車両改造の413系とクハ455形700番台の違いとは

 七尾線のクハ455形700番台の2両はどちらも中間車(サハ455形)から先頭車に改造されたものです。運転台を有するため、413系電車と組んで運用されており、基本的にはクハ455形700番台+413系中間車(モハ412形)+413系先頭車(クモハ413形)の3両で編成が組まれるものの、車両の運用によっては、その2編成を連結し、6両で運行することもあります。

 筆者がクハ455形700番台に乗ったのは、早朝の通勤通学時間帯だったため、まさに6両編成で運行していました。クモハ413形とクハ455形700番台はともに2ドアの運転台付きで、よく似ています。しかしドア形状がクモハ413形は両開きの2枚なのに対し、クハ455形700番台は片開き式の1枚であり、ドア位置もクモハ413形はやや中央寄りですが、クハ455形700番台は車体の両端にあります。

 乗ってみると、クハ455形700番台は国鉄時代の急行形電車の面影を残していました。普通列車として用いるために、ドア至近の座席が一部ロングシートに改造されていたものの、中央部分はボックスシートのままです。

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クハ455形700番台(左)とクモハ413形(右)の連結部分。ドア形状が違う(2020年9月、柘植優介撮影)。

 また車両の連結器近くにはトイレがありますが、その反対側には洗面所が残されていました。中長距離を走る近郊形電車の場合、トイレが設置されていることは多々ありますが、新しい車両で洗面所付きは見られず、このセットの配置は優等列車の面影といえるでしょう。

【写真】超レア車 クハ455形700番台の車内

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コメント

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2件のコメント

  1. 「新型の521系電車は、2両編成15本、計30両が導入される計画で、クハ455形700番台、413系電車、415系電車はすべて置き換えられ姿を消す予定です」
    415系は27両、413系は16両、475系は2両、それぞれ配置されているので、30両の521系で45両の在来車を置き換えることになる。
    当然のごとく、車内は混雑するでしょう。

  2. なぜ先頭車化改造の時にクハ413ではなく、クハ455に改造したのでしょうか。
    確か改造した時はすでに413系が存在(同時期に改造?)していたと思います。
    車体改造費を安く上げるため?