通勤電車なのに「洗面所」 ああ懐かしい「最後の国鉄急行形」455形700番台

新型521系は2両単位の編成が基本

 ボックスシートに座ってみると、まさにひと昔前の旅の雰囲気に浸れました。そこで、次は似たような雰囲気の415系電車にも乗ってみようと考え、途中駅で下車しました。

 ホームに入ってきた415系電車を見てみると、車体前面上部中央に行先表示の方向幕が設置されています。クハ455形700番台や413系電車の同じ部分は塞がれており、方向幕は車体側面にしかありませんでした。このほかにも大きな違いとして415系電車は3ドアで、しかもドアの脇には開閉用の押しボタンも設置されています。

 この415系電車はもともと直流用の113系電車で、七尾線が電化される際に特急「北近畿」用の485系電車からねん出した交流機器を搭載して交直流用に改造された、800番台を名乗る車両なのです。

 一見すると同じ車両に見えるものの、細かい部分で異なっており、やはりクハ455形700番台は急行形電車であったことが確認できました。

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JR七尾線で運用が始まった521系電車(左。試運転)と既存の415系電車(2020年9月、柘植優介撮影)。

 新型の521系電車は、2両編成15本、計30両が導入される計画で、クハ455形700番台、413系電車、415系電車はすべて置き換えられ姿を消す予定です。国鉄時代に2両しか作られなかった希少車を訪ねて、七尾線を訪れるなら近いうちがよさそうです。

【了】

【写真】超レア車 クハ455形700番台の車内

Writer: 柘植優介(乗りものライター)

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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コメント

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2件のコメント

  1. 「新型の521系電車は、2両編成15本、計30両が導入される計画で、クハ455形700番台、413系電車、415系電車はすべて置き換えられ姿を消す予定です」
    415系は27両、413系は16両、475系は2両、それぞれ配置されているので、30両の521系で45両の在来車を置き換えることになる。
    当然のごとく、車内は混雑するでしょう。

  2. なぜ先頭車化改造の時にクハ413ではなく、クハ455に改造したのでしょうか。
    確か改造した時はすでに413系が存在(同時期に改造?)していたと思います。
    車体改造費を安く上げるため?