トヨタ「クラウン」セダン消滅でパトカーどうなる 現状はほぼ一強 考えられる代替は

白黒の4ドアセダン型パトカーが「クラウン」ばかりになったワケ

 高度経済成長期から一部の特殊な車種を除き、街中で見かけるような一般的な4ドアタイプのパトカーに関しては、長らくトヨタと日産の2強体制が続いていました。なぜなら両社とも「クラウン」や「セドリック」などでパトカー専用グレード(型式)を用意していたからです。

 専用グレードがあるメリットは、改造ではないため応札時の価格を抑えることができる点にあります。またナンバー登録する際も、自動車検査登録事務所に実車を持ち込んで改造申請をする必要がありません。そのためトヨタと日産はパトカー専用型式がある強みを生かして入札競争で優位に立つようになり、他社が応札しにくくなることで、ますます2社の寡占に拍車がかかる状態となりました。

 2000年代初頭に日産が「セドリック」の生産を終了し、パトカー専用型式の設定を止めると、国費調達パトカーはほぼトヨタが独占するようになります。一時スバル「レガシィB4」などが調達されたこともあったものの、基本的には「クラウン」一強体制が続きました。

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栃木県警の210系「クラウン」パトカー。手前が屋根上に昇降機を付けた「無線警ら車」で、後方が高速隊や交通機動隊向けの「交通取締用四輪車」(柘植優介撮影)。

 なお、一般的に交通系覆面パトカーと呼ばれる「交通取締用四輪車(反転警光灯)」や、高速道路交通警察隊(高速隊)や交通機動隊向けの「交通取締用四輪車」については、「事業者の経営判断等によると考えられるもの」という理由で、警察庁の国費調達では「一者応札案件」になっています。これは1者(1社)限定の案件ということを示しており、ある意味トヨタだけの指名入札になっていますが、それ以外のいわゆる警察署や自動車警ら隊などが用いる白黒パトカーの「無線警ら車」などそのような指定にはなっていません。

 では、「クラウン」パトカーは国費調達だと1台当たりどれぐらいの価格なのかというと、2019年度の調達では2500ccタイプ(無線警ら車)が約300万円、3500ccタイプの交通取り締まり用四輪車が約360万円です。

 現行の「クラウン」が、ガソリンエンジン搭載の最廉価グレードである2.0L RSでも車両本体価格で509.9万円なのと比べると、パトカー専用グレード(型式)の設定と一括大量調達がコスト低減に大きく影響しているのがわかります。

【写真】「クラウン」もう一つの後継問題 オープンカー仕様のVIP用

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コメント

9件のコメント

  1. メルセデスCクラスに一票!
    FRだしサイズも適当。

    昔、SPお下がりとか噂のEクラス覆面が中央道で暗躍してた。

  2. 市販車の量産が終わったとしてもこの手のやつは需要がある限り作り続けるのでは?セドリックやコンフォートのタクシー仕様だってそれぞれバネットタクシー、ジャパンタクシー始めるまで作り続けていた訳だし。

    • SUV型にモデルチェンジするっていう話と一緒にパトカー用にセダンは残すってトヨタはプレスリリース出してます。なんでこのライターはそれを無視してるのか不思議。

  3. インプレッサG4やWRX S4の室内がクラウンと比べて特に狭いという事はないよ。
    ただし緊急車両という性格上インプレッサでは動力性能が、WRXは外観や車両の性格がパトカー向きか?と言われると疑問。
    ほぼ国内専売車だったクラウンがトヨタブランド最高級車にも関わらず車幅や最小回転半径を国内の道路事情に合わせて拡大に抑制的だったのはそのとおり。
    税金を使うのなら他に変え難い理由というので無ければ安易にメルセデス・ベンツCクラスなどよりはレクサスISもありか?と思わせる。
    アメリカのようにSUVのパトカーという考えもあるだろうが、サッとUターンして追跡というシチュエーションも考えるとアメリカとは道路事情が違い簡単に代替が利くとも思えない。

    • 自分で書いておいて何だが、アウトランダーやフォレスター辺りならば最小回転半径、車幅、価格、でクラウンの代替になりそうな気がしてきた。
      (さすがにライズ/ロッキーやXBEEクラスは如何なものか?と思うので…)
      セダン型でない点を採用側がどう考えるか?や、パトカー専用グレードを用意しないと登録が煩雑なデメリットもありますけど。

  4. FRならスカイラインがあると思います。

  5. 外車はないと思いますよ。公費を国内循環させないと、国内産業からお叱りが来るから予算も通らないはずです。
    とは言え、セダンの生産を打ち切る各メーカー、海外セダンを買い漁る国民を戒める意味では海外製のホットハッチ、SUVを採用しても良いかも。まあ、頭悪いから皮肉もつうじないのが現代日本人ですねw

  6. パトカーがどうなるかという答えは「警察庁が4ドアセダンに拘るか?」が答えですよね。
    何せ無線警ら車や交通取締用四輪車の仕様書の1番初めに「車体は4ドアセダン型であること」とあるくらいですから。
    警察庁が仕様書を変えてしまえば、落札した側はそれに合った車種をパトカーに仕立てて納車するのが仕事です。

    今も変わっていなければ無線警ら車は2500㏄級、4ドアセダン、駆動輪の指定無し、交通取締用四輪車は3000㏄級、4ドアセダン、後輪駆動指定になるので、
    あくまでもトヨタが作るパトカーがクラウンベースなのは「仕様書に合わせるのに一番近い車種」というだけの事です。
    (クラウンのサイズを基準にして警察庁が仕様書を作っていると言えなくもないですが・・・)

    クラウンパトロールカーに関して言えば先代モデルである210系が現行車種なので、トヨタが生産を止めない限りは納入は可能ですね。
    市販のクラウン次期モデルがどうなろうと関係がない話です。
    その先もパトカーがセダンであるならば、サイズ的にもカムリ一択になることでしょう。

  7. これに対する究極の回答が、純粋な警察専用車のカーボンモーターズ・E7だったんでしょうね
    もっとも市販車ベースでの低コスト調達が出来ないという、公的機関にとっては致命的な欠点のせいで企業ごと消えましたが