ホームドアに続き踏切障検の設置も100%達成へ 折り返し設備の増強も 東急の安全対策
走行キロ当たりの運転事故件数はJR・大手民鉄中で最少です。
終電繰り上げにより確保した夜間作業時間も活かしつつ
東急電鉄は2021年7月までに、世田谷線とこどもの国線を除く全ての踏切へ障害物検知装置を設置します。
踏切障害物検知装置とは、踏切で立ち往生している自動車などの障害物をセンサーで検知し、接近する列車の運転士に異常を知らせる装置のこと。レーザー式と3D式の2種類があり、特に3D式は踏切全体を面で検知できます。2021年2月現在、東急線の踏切135か所のうち3D式が設置されているのは93か所。東急電鉄は7月以降も、全ての踏切に3D式を設置できるよう取り組むとしています。
駅の安全対策でも同社は、世田谷線とこどもの国線を除く全駅にホームドアやセンサー付固定式ホーム柵を設置済みです。2020年度のホーム転落事故件数は2021年1月末時点で5件であり、過去最少の件数となっています。
また、仮に運行障害が発生した際も利用者への影響を最小限に抑えるべく、田園都市線の二子玉川駅(東京都世田谷区)付近では列車の折り返し設備が工事中です。現在は折り返す際、渋谷~用賀間での対応ですが、設備が完成すると渋谷~二子玉川間で可能になります。これにより、二子玉川駅で大井町線へ接続でき、迂回ルートが確保できます。
一連の安全対策について東急電鉄は、「これからも安全対策を強化するとともに、終電時刻の繰り上げも活かしながら、夜間作業による保守点検・管理を徹底し、事故の未然防止ならびに異常発生時における早期復旧体制をたゆまず強化していきます」としています。
なお、国土交通省鉄道局が2020年10月と12月に発表した「鉄軌道輸送の安全に関わる情報(令和元年度)」において、東急線の走行キロ当たりの運転事故件数は、JR7社(在来線)と大手民鉄16社の中で最少となっています。
【了】
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